声優になるには何から始めればよいのか。検索すると専門学校や養成所の案内が多く見つかります。
そのため学校へ入ることが最初の一歩だと思いやすいです。けれど果たしてそれは声優になるために第一歩なのでしょうか。
・声優学校の入学は声優になった証明ではありません。
・声優養成所へ入っても所属は決まりません。
・声優事務所へ所属しても仕事が来るとは限りません。
声優を目指すなら、学校探しより前に決めることがあります。
それは、あなたがどこまで進みたいのかを決めることです。
声優になる道は入学から始まるのではありません。最終目標を決めるところから始まります。
この記事では、声優を目指してから初仕事を終えるまでのロードマップを示します。
声優になるには「最終目標」を先に決める
声優になりたいという言葉の意味は、人によって違います。事務所への所属を目指す人もいれば、ただアニメへの出演を目指したいという人もいます。
声の仕事で報酬を得たい人や、声優の収入で暮らしたい人もいます。
だからこそ、最初に最終目標を決める必要があります。目標が曖昧なままだと途中の合格をゴールだと思いやすいからです。
| 最終目標 | 達成したと判断できるもの |
|---|---|
| 声の演技を学ぶ | 演技に変化が出た |
| 作品へ出演する | 完成作品へ声が使われた |
| 声の仕事で報酬を得る | 有償の仕事を終えた |
| 継続して活動する | 再依頼や別案件が増えた |
| 声の収入で暮らす | 生活費を継続して賄えた |
最初から声優収入だけで暮らすと決める必要はありません。今のあなたが目指す地点を一つだけ選べば十分です。
たとえば「半年以内に応募用の音声を作る」と決めれば、必要な練習と期限が見えます。「事務所へ所属する」と決めれば、応募条件や所属後の動きまで確認できます。
最終目標は夢を小さくするために決めるものではありません。途中の合格で止まらないために決めます。
声優になるために全国共通の必須資格はない
まず、声優になるために全国共通の必須資格はありません。特定の試験へ合格すれば翌日から声優として働ける職業ではないからです。
ただし資格がないから簡単という意味ではありません。仕事へ出る時には、演技力と対応力を審査されます。
- 音声:役や文章へ合っているか
- 演技:台本の内容を音へ変えられるか
- 対応:指示を受けた後に読み方を変えられるか
- 日程:収録日や締切へ対応できるか
- 連絡:確認と返信を止めずに進められるか
学校の卒業証書や民間の検定は学んだ経歴にはなります。けれど配役や報酬を保証するものではありません。
反対に資格がないから独学だけで足りるとも限りません。自分の欠点を自分で見抜けないなら録音を聞いて具体的に返してくれる相手が必要です。
資格を探すより、今の音声と応募先の条件を確かめてください。
学校を探す前に現在の声を録音する
声優を目指す人は、最初に学校名や養成所名を調べがちです。どこへ入れば有利なのかを知りたいからです。
けれど現在のレベルを知らなければ何を学ぶべきかも決まりません。発声が課題なのか。台詞の意味が音へ出ないのか。声を作りすぎているのか。録音環境が聞きづらさを生んでいるのか。原因によって必要な学びは変わります。
最初はスマートフォンでも構いません。短い台詞と説明文を録ってみてください。
- 短い台詞:相手へ何かを求める会話を選びます
- 説明文:情報を一度で届けられるかを見ます
- 普段の声:無理に声を作らず現在の音を残します
- 録り直し:同じ文を読んでみます
最初の録音は応募へ出す完成品ではありません。あなた自身が必要な学びを選ぶための材料です。
録音した声が想像と違い落ち込む人もいます。頭の中で聞いている声と外へ出た声は全く違うからです。
その違いを避けたまま入学すると、何を直すために費用を払っているのか分からなくなります。下手な録音でも消さずに残してください。後から変化を比べる基準になります。
声優を学ぶ道は大きく4つある
声優を学ぶ道には専門学校と養成所があります。民間スクールや個人指導もあり、独学から応募へ進む人もいます。
どれか一つが全員の正解ではありません。得やすいものと注意すべき点が違います。
| 学び方 | 得やすいもの | 先に確かめること |
| 専門学校 | 長い学習期間と仲間 | 自分が声を出す時間 |
| 養成所 | 事務所へ近い審査機会 | 入所後と所属後の違い |
| スクールや個人指導 | 自分の課題へ合う返答 | 指摘後にリテイク可能か |
| 独学 | 費用を抑えた試行 | 外部の耳を入れる時期 |
専門学校では広い内容を学びやすいです。しかし人数が多い授業では自分の声だけに使われる時間が短くなります。
養成所は事務所へ近い入口に見えます。しかし入所できた時点で所属が決まるわけではありません。進級や所属の審査が残ります。
スクールや個人指導では自分の課題へ時間を使いやすくなります。個別という名前だけで決めず、指摘後に同じ台本を読み直せるかを見てください。
独学は費用を抑えられます。しかし自分の感覚だけで正解を決めると同じ癖を繰り返しやすいです。第三者へ録音を聞かせられるかどうかを先に考えてください
学ぶ場所を選ぶ前に6つの条件を確認する
パンフレットや公式サイトには講師名や卒業生の実績が並びます。どれも参考にはなりますが、だからといってあなたが声優として大成するかまでは分かりません。
学び舎への入学や受講を決める前に、次の6つを確認してください。
| 確認すること | 確かめる理由 |
| 自分が声を出す時間 | 大半の時間が見学だとコスパが悪い |
| 個別の返答 | 当たり障りのないフィードバックで済ませないために |
| 指摘後の再録 | 分かった気分で終わらないために |
| 同じ講師の継続 | 前回との差を追うために |
| 外部へ出す時期 | 教室の評価だけで止まらないために |
| 途中で退学できる条件 | 合わない時に時間を守るために |
声優の練習は、理屈や講義を聞いた量だけでは進みません。声を出して止められ、その場で違和感を整えてもう一度出すの繰り返しです。
とにかく時間が必要です。
授業時間が長くても、自分の番が短ければ変化を確かめにくいです。講師が有名でもあなたの声を聞く時間が少なければ意味がありません。
受講人数と形式によって、この6条件のうち満たせるものが変わります。
オンライン形式では何が変わり、何が変わらないのかは『オンライン声優スクールの強み|マイク前で声を出すマンツーマンレッスンが現場に近い理由』で扱っています。
費用や期間を質問することは失礼ではありません。あなたがお金を払う以上、仕事を目指すための契約を確かめているだけです。
年齢は現在の入口と学ぶ期間から考える
声優を目指す時に年齢を無視することはできません。募集や養成の入口には年齢条件が置かれることがあり、学び終える頃には年齢も上がるからです。
一方で年齢だけを見てすべての声の仕事が閉じたと決めるのも早すぎます。アニメの新人枠とナレーションや企業音声では求められる経験が同じではありません。
しかし本筋からズレるので、ここでは年齢別の詳しい判断には踏み込みません。
声優を目指す前に確認する順番だけを示します。
- 応募時の年齢条件を確認する
- 入所後に何年学ぶのかを確認する
- 所属審査を受ける時の年齢を考える
- 本業や家庭と両立できるかを見る
- 過去の仕事や専門知識を声へ活かせるかを考える
年齢が上がるほどリスクは重くなります。だからといって焦って長期契約へ進むと搾取対象にされる危険もあります。
現在応募できる入口と審査へ出るまでの期間の年齢差を確かめてください。
費用は学費だけで考えない
声優を目指す費用を調べると、入学金や受講料へ目が向きます。
しかし宣材写真やワークショップ、練習費用など追加でかかるお金が山ほど出てくるのが声優です。
さらに学び終えた後にもお金は必要です。仕事が少ない期間も生活を続けなければなりません。
| 資金の役目 | 主な使い道 |
| 声優としての証明 | マネージメント費用 |
| 訓練 | ワークショップ代 |
| 応募 | マイク代・収録費用 |
| 仕事対応 | 収録費用 |
| 生活 | 家賃と食費と緊急時の備え |
最初の一歩目へ資金の大半を導入すると、身動きが取れなくなります。学ぶために払った結果としてその後の仕事を取りに行くお金が残らないのです。
生活資金を活動費へ混ぜないでください。声の収入がない段階で退職すると八方塞がりになります。
意気込みやヤル気を支払額で示す必要はありません。応募と生活へ使う余力を残す方が長く挑戦できます。
応募前に三つの提出物を用意する
練習を始めても、実力を見せられる環境がなければ審査は始まりません。
声優を目指す人が先に用意するものは三つです。
- 基本のボイスサンプル:台詞と説明文を短く録ります
- 応募先へ合わせたボイサン:役や案件の条件へ寄せます
- 自己PR:連絡先と活動歴を簡潔に伝える
同じ音源をすべての募集へ送ると役や用途とのずれが増えてオーディションに受かりません。
応募先が求める声と演技を確認してから録ってください。
自己PRも飾りではありません。連絡へ返事ができるか。収録日へ対応できるか。仕事を終えられる条件があるかを伝えるものです。
写真や長い自己紹介へ時間を使う前に、音声が一度で聞けるかを確かめてください。音量やファイル名がばらばらなら、演技を聞かれる前に扱いづらさが出ます。
所属審査と仕事の審査は別である
声優になるには事務所へ所属すべきだと説明されることがあります。所属は仕事へ進む大きな入口の一つです。
ただし所属審査と配役の審査は同じではありません。
| 段階 | その時点で得たもの |
| 学校やスクールへ入る | 学ぶ契約 |
| 養成所へ入る | 訓練と審査を受けるため |
| 事務所へ所属する | 管理や営業を受けるため |
| 役へ選ばれる | 一つの仕事 |
| 再び呼ばれる | 実務への信用 |
事務所へ所属した後も案件ごとの候補から選ばれる必要があります。所属者が多ければ、同じ事務所の中でも競争が起きます。
所属を目標へ置くこと自体は間違いではありません。所属後に何をするかまで決めないことが良くないのです。
- どの分野の仕事へ出たいか
- ボイスサンプルをいつ更新するか
- 審査後に何を変えるか
- 仕事がない期間をいつ見直すか
- 生活収入をどう守るか
所属した事実は経歴になりますが、報酬が発生した事実とは分けて考えてください。
初仕事は選ばれた時点では終わっていない
初めて仕事へ選ばれると、合格したことだけで頭がいっぱいになります。
けれど依頼側が見ているのは演技だけではありません。返信が来るか。指定を守れるか。期限までに納品できるか。録り直しへ応じられるか。仕事を終える力も見られます。
| 仕事で見られること | 起きやすい問題 |
| 返信 | 確認が遅れて収録日が決まらない |
| 指示の理解 | 求められた方向と違う音を出す |
| 期限 | 完成前に予定が崩れる |
| 録り直し | 最初の読みから変えられない |
| ファイル | 指定された形で提出できない |
台本を上手く読む練習だけでは足りません。依頼書を読み、分からない条件を質問する力も必要です。
仕事は選ばれた瞬間に完成しません。相手が使える音声を期限までに渡せて初めて終わります。
再依頼は初仕事の内容で決まる
仕事へ選ばれる理由には役との相性もあります。声質が求める人物へ合い、候補の中で選ばれることもあります。
二度目の依頼では前回の仕事ぶりが判断材料になります。連絡が止まらなかったか。録り直しで方向を変えられたか。期限を守ったか。制作側が再び任せたいと思えるかを見られます。
一回の出演は試験です。再依頼は仕事を任せやすかったという返答です。
一件ごとに完了までの流れを細かく意識してください。どこで時間がかかったか。どの指示へ対応できなかったか。
もちろん再依頼がない理由をすべて本人の実力へ結びつける必要はありません。作品の終了や予算など、本人以外の事情もあるからです。
メイクリへ寄せられた相談で確認した事例
声優を目指す人が伸び悩むときは何もしていないわけではありません。多くの人は学校へ通い、発声を続けて台本も読んでいます。
メイクリへ寄せられた相談の中では、次のような事例を何度も確認しています。
すべての声優志望者へ当てはまる話ではありませんが、同じ場所で時間を失う人はきっといるでしょう。
- 学ぶ場所を決めた時点で安心する
- 自分の録音を残していない
- 指摘を受けても同じ台本を読み直さない
- 卒業や所属まで外部へ音声を出さない
- 所属後は案件を待つだけになる
- 不合格後も同じ音源を使い続ける
- 仕事がない期間の見直し日がない
本人は真面目に努力しています。けれど前の結果が次の行動へつながっていません。
授業で指摘を受けたなら再録します。応募して落ちたなら提出物を見ます。所属後に仕事がないなら、音声と応募分野を確かめます。
努力量を増やす前にどこで動きが止まっているかを見てください。
声優を目指す8段階の手順
声優になるまでの道を8段階へ分けると、現在地を確かめやすくなります。
| 段階 | 行うこと | 次へ進む目安 |
| 1 | 最終目標を決める | 目指す地点を一文で書ける |
| 2 | 現在の声を録る | 台詞やナレーションを聞き直せる |
| 3 | 課題を一つ考える | 次の録音で変える点が決まる |
| 4 | 学び方を選ぶ | 時間と費用と出口を具体的にする |
| 5 | 提出物を作る | 応募条件へ合う音声を作れるか |
| 6 | 外部審査へ出す | 結果に動揺しない胆力 |
| 7 | 初仕事を終える | 指定と期限を守って納品できるマナー |
| 8 | 再依頼へ備える | 前回の課題を次へ活かせる柔軟さ |
この順番は全員が同じ速さで進むためのものではありません。課題を見つけるまでに時間がかかる人もいます。独学と指導をひたすら行き来する人もいます。
しかし自分だけで上達したかどうかを決めると、自身の演技のズレが変な方向に固まってしまう危険もあります。
所属を目指す人は6段階目に所属審査が待っているのでこの段階までは必須ですね。
フリーで仕事を探す人は7段階目までは完璧にできることが必須です。
道が違っても、音声を出して結果を次へ使う点は共通します。
結局のところ、声優の仕事はそれです。
脳死での同じ方向性への努力は禁物
声優になるまで何年かかるかは最初に決められません。
それぞれ実力や目標も違うし、応募先の条件も変わるからです。
ただし、期間を決められないからといって同じ方法を無期限で続ける必要はありません。
三か月や半年など、あなたの生活へ合う確認日を置いてください。
夢を諦める締切ではありません。今の学び方を続けるかを決める日です。
確認する内容は次の通りです。
- 最初と現在の演技に差があるか
- 指摘後に音を変えられたか
- 外部へ提出できるクオリティか
- 不合格後に音源を変えられるか
- 自身が決めた費用上限を守れてるか
- 生活と体調を壊していないか
- 次の段階で何をするべきか
変化がない時は夢を捨てるのではありません。講師や教材や練習量を変えるべきタイミングということです。
生活費へ手を付け始めた時や借金が必要になった時は、活動規模を下げる目安です。喉や体調へ強い不安がある時は休んでください。
最終手段ですが、職業としての挑戦を止めて趣味や自主制作へ移る選択もあります。続ける形を変えることは失敗ではありません。
声優を目指すのに向いている人
声が良い人だけが声優へ向いているわけではありません。声質は材料の一つです。
仕事へ近づきやすいのは、悪い結果を次へ使える人です。
| 向いている行動 | 役立つ理由 |
| 自分の録音を聞く | 感覚と外の音を分けられる |
| 指摘後に読み直す | 現場の指示へ応じる練習になる |
| 締切を守る | 制作側が予定を立てられる |
| 課題を質問する | 誤解したまま進めない |
| 方法を変える | 同じ失敗へ残らない |
| 生活を守る | 焦らず悪い結果を受け取れる |
向いていないのは未経験者や年齢が高い人ではありません。褒め言葉だけを求めて、自身のレベルを知るのを避ける人です。
お金を払えば変えてもらえると考える人も止まりやすいです。講師は課題を示せますが、取り組むのは本人です。
一回の不合格で全てを決める人も危険です。反対に何年も結果を見ない人も危険です。
短い期間で試し、結果ごとに次の一手を変えられる人が声優としての仕事に進めます。
声優になるには何から始めればよいのか
声優になるには学校へ入る前に最終目標を決めてください。
次に現在の声を録り、あなたに必要な課題を一つ見つけてみてください。
そして、その課題へ合う学び方を選んでください。
専門学校や養成所やスクールという名前ではなく、自分が声を出す時間と指摘後の再録がたくさん撮れる環境がおすすめです。
一定の準備ができたらマイクの前で録音し、ひたすら実力を磨く。
所属を目指すなら所属審査へ進み、案件へ応募するなら条件へ合う提出物を作ります。
所属は最終地点ではありません。
仕事へ選ばれ、指示と期限を守って納品できること。
一回の出演で止まらず、前回の結果を次の音声と対応へ使えてこその声優です。
年齢や費用も無視できません。年齢制限による弊害は現在の応募条件から判断しましょう。
費用は学費だけに全ベッドせず、生活へ残すこと。ローンなんてもってのほかです。
結果が出ない時は努力量だけを増やさないこと。
ガムシャラな努力は結果に結びつきません。
声優になる道は一つではありません。
けれど仕事へ近づく人には必ず共通点があります。
それでもなお、声優になれる人間は極僅かなのです。厳しいですがこれが現実です。
声優になれる確率に関しては、声優になれる確率は低すぎる|夢を追う前に知るべき業界の現実ページで詳しく解説しています。


