オンライン特化型の声優スクール・メイクリでは、 「声に自信がないがイケボを目指したい、何から始めればいいか分からない」という相談を日常的に受けています。
声に自信がない状態からイケボを目指すことは可能だと思われがちですが、 実際には声に自信がない理由が何かを把握しないまま取り組み始めているケースがほとんどです。 「まず練習を始めれば分かってくる」という前提のまま進んでいると、 取り組む方向性が定まらないまま時間が過ぎることがあります。
こうした前提のズレがあるままでは、 声への自信のなさが解消されないまま練習だけが続く状態になりやすくなります。
このページでは、 声に自信がない人がイケボを目指す前に把握しておくべきことを見ていきます。
声に自信がないとはどういう状態か
「声に自信がない」という状態には、 いくつかの異なるパターンが存在します。
録音した自分の声を聴いて違和感を感じる状態。 他者から声について指摘されたことがある状態。 声を出すことに対して萎縮している状態。 自分の声がこもっていると感じている状態。 低い声が出ないと感じている状態。
こうしたパターンはそれぞれ原因が異なります。
声に自信がないという状態をひとくくりにして取り組み始めると、 自分の声の何が問題かを把握しないまま練習が進むことになります。
まず声に自信がない理由が何かを確認することが、 取り組みの出発点になります。
知るべきこと① 声に自信がない理由は人によって異なる
声に自信がない理由は、 人によって異なります。
声がこもっていて聴き取りにくいと言われる場合は、 倍音の乱れや喉の力みが原因として考えられます。
録音した声が自分のイメージと全く違う場合は、 骨伝導のズレによるものであることが多く、 必ずしも声に問題があるわけではありません。
低い声が出ないと感じている場合は、 低さへの執着がイケボの本質からズレているケースがあります。
マイクを通すと声が崩れる場合は、 発声の状態にマイクが反応しているケースが多くあります。
声に自信がない理由を特定しないまま「イケボを目指す」という方向性だけで取り組むと、 原因に触れないまま練習が続く可能性があります。
知るべきこと② 自信のなさと声の状態は別の問題
声に自信がないという感覚と、 声の状態として何が問題かは、 別の話として切り分ける必要があります。
声に自信がない人の中には、 実際には声の状態として大きな問題がなく、 自己評価の問題によって自信を持てていないケースがあります。
逆に、 声に自信がある人の中に、 実際には発声の状態に問題があるケースもあります。
自信があるかないかと、 声の状態が良いか悪いかは、 自動的に一致しません。
声に自信がないという感覚を出発点にするのではなく、 声の状態として何が整っていて何が整っていないかを確認することが先になります。
知るべきこと③ イケボは「自信がある声」とは限らない
イケボを目指す動機として、 「声に自信を持ちたい」という目的を持っている人は多くいます。
ですがイケボとして機能する声は、 声に自信があることとは別の条件で成立します。
倍音が整っていること。 息のバランスが取れていること。 喉の力が抜けていること。 聴き手に負担なく届くこと。
こうした条件は、 話し手の自信や心理状態とは別の軸で存在しています。
自信を持って話すことで声の印象が変わる部分はありますが、 発声の状態が整っていなければ、 自信があっても聴き手への届き方は変わりません。
イケボを目指すことと、 声への自信を持つことは、 別の取り組みとして分けて考える必要があります。
知るべきこと④ 録音した声が嫌いという状態は出発点として機能しない
声に自信がない人の多くが、 録音した自分の声を聴くことに抵抗を感じています。
ですがイケボを目指す上で、 録音した声を確認することは不可欠な手段です。
録音した声が嫌いだという感覚は、 骨伝導によるズレが原因で「自分のイメージと違う」と感じているケースが多くあります。
録音した声が「自分の声じゃないみたい」という違和感は、 ほぼすべての人が経験するものであり、 それ自体が声の問題を示しているわけではありません。
録音した声を客観的な素材として扱い、 評価基準を持って確認することが、 イケボへの取り組みの前提になります。
録音した声が嫌いという感覚を出発点のまま放置すると、 確認の手段が機能しない状態が続きます。
知るべきこと⑤ 声の問題は独学での特定が難しい
声に自信がない原因が発声の状態にある場合、 その原因を独学で特定することには限界があります。
こもりやすい声の原因が、 喉の力みなのか、息の多さなのか、共鳴の問題なのかを 自分の感覚だけで特定することは難しいものです。
録音して確認しようとしても、 何を基準に評価するかが分からなければ、 原因の特定には至りません。
原因が特定できなければ、 何をどう変えればいいかが分からないまま練習が続きます。
声に自信がない状態から取り組む場合、 外側からの評価を組み合わせることが有効な手段になります。
知るべきこと⑥ 声への自信は声の状態が変わった結果として生まれる
声に自信を持つことを目標にして取り組むと、 取り組みの方向性が定まりにくくなります。
自信は声の状態が変わった結果として生まれるものであり、 自信を持つことを直接の目標にしても、 声の状態は変わりません。
声の状態として何が変わればいいかを把握し、 その変化に取り組むことが先になります。
変化を実感できたとき、 声への評価が変わり、 結果として自信につながる流れが生まれます。
自信を目標にするのではなく、 声の状態の変化を確認することを目標にする方が、 取り組みの精度が上がります。
声に自信がない状態からイケボを目指す前に確認すること
ここまで見てきたことをまとめると、 声に自信がない状態からイケボを目指す前に確認すべきことがあります。
声に自信がない理由が何かを把握すること。 自信のなさと声の状態の問題を切り分けること。 録音した声を客観的な素材として扱う準備をすること。 独学での限界を前提として、外側からの評価を組み合わせる方向性を持つこと。
こうした前提を持たないまま取り組み始めると、 方向性が定まらないまま時間が過ぎやすくなります。
声の状態を把握することが、 取り組みの出発点として機能します。
声に自信がない状態の先にあるもの
ここまで見てきたように、 声に自信がない状態からイケボを目指す際には、 自信のなさを出発点にするのではなく、 声の状態を確認することから始める必要があります。
声への自信は、 声の状態が変わった結果として後からついてくるものです。
その順序を踏まずに自信だけを追いかけても、 取り組みの方向性は定まりにくくなります。
イケボが成立するための条件と、 声の状態として何を確認すべきかの全体像については、 声に自信がない状態からイケボに近づくための条件で詳しく扱っています。

