ボイトレに通ってもイケボにならない人がいる理由

オンライン特化型の声優スクール・メイクリでは、 ボイストレーニングに通った経験があるにもかかわらず 「イケボになれなかった」という相談を日常的に受けています。

ボイトレに通えばイケボに近づけると思われがちですが、 実際にはボイトレの目的とイケボの目的が一致していないケースがほとんどです。 「ボイトレに通えばどうにかなる」という前提のまま進んでいると、 時間とお金をかけても手応えが得られない状態になることがあります。

こうした前提のズレがあるままでは、 どれだけボイトレに通い続けても「イケボにならない」という状態が続きやすくなります。

このページでは、 ボイトレに通ってもイケボにならない人がいる理由と、 なぜそうなりやすいのかを見ていきます。

ボイトレとイケボは目的が異なる場合がある

ボイストレーニングという言葉は広く使われていますが、 その目的は場所によって大きく異なります。

歌のためのボイトレ、 滑舌や発音のためのボイトレ、 声優・ナレーター志望のためのボイトレ。

それぞれで鍛える要素も、 評価の基準も、 目指す声の状態も違います。

イケボを目的にボイトレに通う場合、 通っている場所がイケボを扱っているかどうかを確認しないまま進んでいると、 目的と内容がズレたまま継続することになります。

理由① 歌のボイトレとイケボは要求される発声が違う

ボイトレと聞いて多くの人が思い浮かべるのは、 歌のためのトレーニングです。

歌の発声では、 音程を正確に出すこと、 広い音域をカバーすること、 声量を安定させることが重視されます。

一方でイケボに求められるのは、 日常会話やマイク越しで 耳に負担なく届く声の響き方です。

この二つは重なる部分もありますが、 歌のボイトレで鍛えた発声が そのまま日常のイケボとして機能するわけではありません。

歌声として通用する発声と、 日常・ビジネスで通用するイケボは、 求められる状態が異なります。

理由② イケボを専門的に扱っているボイトレは少ない

ボイトレと名がつく場所は多くありますが、 イケボそのものを専門的に扱っている場所は限られています。

多くのスクールやトレーナーは、 歌・演技・ナレーションといった分野を中心としており、 「日常やビジネスで使えるイケボ」を前提にした指導を行っている場所は 多くありません。

そのためボイトレに通っても、 イケボに直結する評価・指導を受けられていないケースが起きます。

通っている場所が何を目的としたボイトレなのかを確認しないまま継続すると、 目的と指導内容がズレたまま時間が過ぎていきます。

理由③ レッスンでの声と日常の声が切り離されている

ボイトレのレッスン中は良い声が出ているように感じても、 日常会話やビジネスの場では同じ声が出ないというケースがあります。

レッスン環境は整った空間で、 集中して発声に取り組む状況です。

ですが実際に声が使われるのは、 緊張した場面、 初対面の相手との会話、 マイクを通した状況など、 条件が異なる場面です。

レッスン中にできた発声が こうした実際の場面でも安定して出せるかどうかは、 別の問題として存在します。

レッスン内だけで完結している練習は、 実用の場面で崩れやすくなります。

理由④ マイクを通した声を前提にしていない

イケボが求められる場面のひとつに、 マイクを通した声があります。

配信、録音、オンライン会議など、 声をマイクで拾う機会は日常的に増えています。

ですが多くのボイトレでは、 生声での発声を中心としており、 マイクを通した状態での声の評価は行われていないことがあります。

生声で良く聞こえる発声と、 マイク越しで良く聞こえる発声は完全に一致しません。

マイクは声の特性を拡大するため、 生声では気にならなかったこもりや息の多さが 録音すると顕著に出ることがあります。

マイクを通した状態を前提にしていない練習は、 実際の使用場面で機能しないことがあります。

理由⑤ 通うことで安心してしまっている

ボイトレに通っているという事実が、 練習への安心感になってしまうケースがあります。

通い続けていれば変わるはず、 という前提で継続していると、 実際に変化しているかどうかの確認が後回しになります。

声の変化は継続的に同じ条件で録音し、 明確な基準で評価しなければ判断できません。

「通っている」という行動と、 「イケボに近づいている」という変化は、 自動的に一致するわけではありません。

ボイトレに通っても変わらない理由は場所と目的のズレにある

ここまで見てきた理由に共通しているのは、 ボイトレの質ではなく、 目的と場所と評価基準がそれぞれズレているという点です。

ボイトレに通うこと自体は間違いではありません。 ただし、通う場所がイケボを扱っているかどうか、 マイクを前提にした評価を行っているかどうかは、 事前に確認する必要があります。

イケボとは何か、何が成立条件になっているのかについては、 響く声「イケボ」とは何か|なぜその声はカッコよく聞こえるのかで詳しく扱っています。

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