オンライン特化型の声優スクール・メイクリでは、
声の仕事に限らず、日常生活やビジネスの場で有利に働く
「イケボ」と呼ばれる声についての相談を日常的に受けています。
イケボという言葉は広く知られていますが、
その定義や成立条件が正しく理解されているとは言えません。
中でも多いのが、
「低い声=イケボ」という認識です。
実際、低い声に対して
落ち着いている、渋い、カッコいいといった
好意的なイメージを持つ人は少なくありません。
そのため、イケボを目指す人ほど
「まずは声を低くしよう」と考えがちです。
しかし、
低い声を出しているにもかかわらず
「イケボに聞こえない」「印象が変わらない」と感じている人も
非常に多いのが現実です。
ここでは、
なぜ低い声を出しているだけでは
イケボとして成立しにくいのか。
その前提部分を整理していきます。
低い声とイケボはイコールではない
まず押さえておくべきなのは、
声が低いことと、
イケボとして聞こえることは
同じではないという点です。
確かに、
イケボと呼ばれる声の中には
低音域が印象的なものも多くあります。
ですがそれは、
「低いからイケボ」なのではありません。
低い声であっても、
・こもって聞こえる
・小さく聞こえる
・聞き取りづらい
といった印象になることもあります。
この場合、
本人は「低い声を出せている」と感じていても、
聞き手側の印象は
カッコいい声とは一致しません。
ここで起きているのは、
声の高さだけに注目してしまい、
他の要素が見落とされている状態です。
低い声を出そうとするほど力みやすい
低い声を出そうと意識すると、
多くの人は無意識のうちに
喉や首、身体全体に力を入れてしまいます。
その結果、
声が必要以上に押し出され、
響きが失われやすくなります。
本人としては、
「しっかり低い声が出ている」
「以前より男らしい声になった」
と感じていても、
実際には
音が前に飛ばず、
閉じた印象になっていることも少なくありません。
この状態では、
声の高さが変わっても
聞こえ方の印象は大きく変化しません。
つまり、
低さを優先することで、
イケボとして重要な条件から
遠ざかってしまうケースが多いのです。
響きが整っていないと低さは活きない
イケボとして聞こえる声には、
共通して「響き」があります。
ここで言う響きとは、
単に大きな声や通る声という意味ではありません。
無理なく耳に届き、
自然と印象に残るような
聞き心地の良さを指します。
低い声であっても、
この響きが整っていなければ、
・ボソボソしている
・暗くこもっている
・迫力がない
といった印象になりがちです。
逆に、
響きが整っている声は、
必ずしも極端に低い必要はありません。
ここで重要なのは、
「低い声を出すこと」そのものが
イケボの条件ではない、という点です。
声の印象は高さ以外の要素で決まっている
声の印象は、
高さだけで決まるものではありません。
・どのように音が立ち上がっているか
・どの位置で響いているか
・どのくらいの息が含まれているか
こうした要素が組み合わさって、
聞き手の印象が作られます。
低い声を出していても、
これらの要素が噛み合っていなければ、
イケボとして認識されにくくなります。
そのため、
「低い声を出しているのに評価が変わらない」
と感じる人ほど、
声の高さ以外の前提が
共有されていない状態で進んでいることが多いのです。
一時的にそれっぽく聞こえても安定しない理由
中には、
一瞬だけ「それっぽく聞こえた」
という経験を持つ人もいます。
ですが、
次の日には再現できなかったり、
場面が変わると崩れてしまったりする。
このような場合も、
低さを基準にしていることが
影響しているケースが少なくありません。
低い声は、
体調やテンション、
環境によって出やすさが変わります。
そのため、
高さだけを目安にしていると、
安定した再現が難しくなります。
結果として、
「今日は良かった気がする」
「今日は全然ダメだった」
という波が生まれ、
変化を実感しづらくなってしまいます。
低い声=イケボという前提がズレを生む
ここまで見てきたように、
低い声を出しているのに
イケボに聞こえないと感じる背景には、
「低い声=イケボ」という前提があります。
この前提がある限り、
・なぜ評価が変わらないのか
・どこが足りないのか
・何を基準に判断すればいいのか
が分からなくなります。
その結果、
練習を続けているにもかかわらず、
手応えを感じられない状態が続きやすくなります。
これは、
才能や努力の問題ではなく、
目指している基準が
共有されていないことによって起きる現象です。
イケボは低さではなく成立条件で判断される
イケボは、
「低い声かどうか」ではなく、
成立条件を満たしているかどうかで
判断されるものです。
その条件が曖昧なままでは、
低い声を出していても
評価が変わらないのは当然と言えます。
何を満たせば
イケボとして成立するのか。
どの状態をゴールとするのか。
この前提が共有されて初めて、
声の変化を正しく捉えることができます。
イケボの定義が共有されていないと前に進めない
低い声を出しているのに
イケボに聞こえないと感じている人の多くは、
イケボそのものの定義を
曖昧なイメージで捉えています。
その状態では、
どれだけ練習を重ねても、
進んでいるのか、
ズレているのかを判断できません。
イケボが成立する条件や、
なぜ低い声だけでは不十分なのかについては、
オンライン特化型の声優スクール・メイクリが
イケボの実用を前提にまとめているページがあります。

