オンライン特化型の声優スクール『メイクリ』では、男の娘に関する相談を日常的に受けています。その中には、「男の娘」という言葉の意味が時代によって変わってきているという感覚を持っている方がいます。
「男の娘」という言葉は、使われ始めた頃と現在とでは、指している状態が変化している部分があります。言葉の意味の変化を把握することは、自分が何を目指しているのかを定義する上で参考になる情報です。
本記事では、「男の娘」という言葉の定義が時代によってどのように変化してきたかについて、特定の結論に寄らず、定義の変遷という視点から掘り下げていきます。
「男の娘」という言葉の起源と初期の使われ方
「男の娘」という言葉は、主にインターネットやオタク文化の文脈から広まった言葉です。
当初は、マンガやアニメのキャラクターに対して使われることが多く、外見が女性的な男性キャラクターを指す言葉として定着していきました。フィクションのキャラクターに対して使われていた言葉が、現実の人物に対しても使われるようになっていった経緯があります。
この段階では、主に外見的な特徴を指す言葉として使われていました。
VRChatの普及が定義に与えた影響
VRChatをはじめとするVR空間の普及は、「男の娘」という言葉の使われ方に影響を与えました。
VR空間では、アバターを使うことで外見の成立が容易になりました。これにより、外見という要素のハードルが下がり、「男の娘として活動する」という文脈が広がりました。
同時に、VR空間での活動が広がることで、声の問題が浮上するようになりました。アバターで外見が整っても、声が届く場面では声の成立が問われます。「男の娘」の定義に、声の要素が関わるようになってきた背景には、VR空間での活動の拡大があります。
配信文化と男の娘の定義の変化
配信文化の広がりも、「男の娘」の定義に影響を与えています。
配信という場では、長時間にわたって声が届きます。外見だけでの成立は、配信の文脈では成立を維持しにくい。声が成立していない状態での配信は、聴衆に届く情報が声中心になるため、外見の補完が機能しにくくなります。
配信で男の娘として活動することへの関心が広がるにつれて、声の成立への注目が高まっています。
性の多様性への認識の広がりと定義の変化
性の多様性への社会的な認識の広がりも、「男の娘」という言葉の定義に影響を与えています。
「男の娘」という言葉が、性自認や性表現に関わる文脈で使われることが増えてきました。外見的な表現という意味で使われる場合と、性自認に関わる文脈で使われる場合が混在するようになっています。
この混在が、「男の娘」という言葉の定義をさらに多様化させています。同じ言葉が、異なる文脈で異なる意味を持つ状態が続いています。
定義が変化し続けていることの意味
「男の娘」の定義が時代とともに変化してきたことは、この言葉に公式な定義が存在せず、使われる文脈によって意味が決まるということを示しています。
この状況は、「男の娘」を目標にする場合に、自分の定義を持つ必要性を高めます。社会や文化の変化によって変わる定義に依存するのではなく、自分が何を目指しているかを自分の言葉で定義することが、取り組みの方向性を定めます。
時代によって変わってきた定義の変遷を把握することは、現在使われている「男の娘」という言葉が何を指しているかの理解を深める情報です。ただし、その理解は、自分の定義を他者の定義に合わせることではなく、自分が何を目指すかを明確にするための材料として活用するものです。
定義の変化の中で変わらないもの
「男の娘」の定義が時代とともに変化してきた中で、変わらない部分があります。
他者が接したとき、その人をどう知覚するかという問いは、定義の変化に関わらず存在します。外見が整っていること、声が成立していること、動作が一致していること。これらが他者の知覚にどう影響するかという構造は、定義が変わっても変わりません。
定義の変化を把握しつつ、成立の条件という観点から現状を判断することが、定義の変化に左右されない取り組みの方向性を定めます。
男の娘の定義の現在と成立条件について詳しく知りたい方は、男の娘とは何か、定義の変遷と現在の成立基準をご覧ください。
「時代の定義に合わせようとしている」ではなく、「自分が何を目指すかを自分の言葉で定義できる」状態まで行く。
そこから初めて、男の娘は成立します。

