男の娘が共鳴の位置を変えられない理由

オンライン特化型の声優スクール・メイクリでは、 男の娘として活動したい人から「共鳴の位置を変えようとしているが感覚がつかめない」という相談を受けることがあります。

声を前に出そうとしている。 頭の上の方に響かせようとしている。 でも何をどうすれば共鳴の位置が変わるのかが分からない。

こうした状態で練習を続けている人がいます。

共鳴の位置を変えることは、 女声の成立において重要な要素のひとつです。 ですが共鳴の位置を変えようとする前に、 把握しておくべき前提があります。

このページでは、 男の娘が共鳴の位置を変えられない理由と、 その背景にある構造を見ていきます。

高い声を出しても男性に聞こえる理由がある

共鳴の問題を理解する上で最初に把握しておくべきことは、 高い声を出しても男性に聞こえる理由があるという点です。

「高い声を出せば女声に近づく」という前提で練習している人がいます。 ですが高い声を出しても、 聴き手には男性の声として知覚されるケースがあります。

これは男性特有のノイズが残っているためです。

男性の声には、 女声の成立を妨げる特有の成分が含まれています。 このノイズが残ったままでは、 どれだけ音程を上げても、 発声全体に男性的な要素が残り続けます。

共鳴の位置を変えようとする前に、 このノイズの存在を把握しておくことが必要です。

ノイズをカットできると低い声でも女性に聞こえる

共鳴の問題を理解する上で重要なのは、 ノイズをカットできると低い声でも女性の声として聞こえるという点です。

これは多くの人が把握していない事実です。

高さではなく、 男性特有のノイズが残っているかどうかが、 聴き手が男女どちらの声として知覚するかを分けています。

ノイズをカットできた状態では、 それほど高くない音域でも女性の声として知覚されます。 逆にノイズが残った状態では、 高い声を出しても男性の声として知覚され続けます。

「高さが足りない」という判断で音程を上げることに向かっている場合、 その方向は問題の本質から外れています。

共鳴の位置を変えることの目的は、 このノイズをカットすることに向かっています。

共鳴の位置と男性特有のノイズの関係

共鳴の位置を変えることが女声の成立に関わる理由は、 共鳴の位置が男性特有のノイズの量に影響するからです。

男性がデフォルトで使っている共鳴の位置は、 胸や喉の奥に響きが集まりやすい状態です。

この位置で共鳴が起きると、 男性特有のノイズが声に含まれやすくなります。

共鳴の位置を変えることで、 男性特有のノイズが減る方向に向かうことができます。

共鳴の位置を変えることは、 声を「高くする」ためではなく、 男性特有のノイズを減らし、 発声全体の性質を変えるためのものです。

この目的を把握していない状態で共鳴の位置を変えようとすると、 何を目指して変えればいいのかが分からないまま進んでいくことになります。

感覚だけで共鳴の位置を変えようとすることの難しさ

共鳴の位置を変えられない理由のひとつは、 感覚だけで変えようとすることの難しさにあります。

「頭の上に響かせる」 「声を前に出す」 「鼻の奥を使う」

こうした表現を参考に、 感覚として共鳴の位置を変えようとするケースがあります。

ですが共鳴の位置の変化は、 出している本人には感じ取りにくいことがあります。

骨伝導の影響により、 自分の声を内側から聴いている感覚と、 外から聴こえる音とでは伝わり方が異なります。

「頭に響いている感覚がある」という状態が、 外から聴いたときに実際に共鳴の位置が変わっているかどうかとは、 一致しないことがあります。

感覚を頼りにしていると、 共鳴の位置が変わっていないまま「変えている気がする」という状態が続くことがあります。

高い声を目指す方向が共鳴の変化を妨げる

共鳴の位置を変えられない理由のもうひとつは、 高い声を出そうとする意識が共鳴の変化を妨げるという点です。

音程を上げようとすることで、 喉に力が入りやすくなります。

喉に力が入った状態では、 共鳴の位置を変えることが難しくなります。

高さを追うことと、 共鳴の位置を変えることは、 同時に進めることが難しい場合があります。

高い声を出そうとする意識が先に来ている場合、 共鳴の位置を変えるための余裕がない状態になっていることがあります。

自然な女声は意外と音程が低いケースがあります。 話していてバレないレベルの女声が、 実は高い声ではないというケースが存在します。

高さへの執着が、 共鳴の位置を変えることへの取り組みを妨げているケースがあります。

自然な女声は高さではなくノイズの有無で決まる

ここまで見てきた内容に共通しているのは、 共鳴の位置を変えることの目的が、 声を高くすることではなく、 男性特有のノイズをカットすることにあるという点です。

高い声を出しても男性に聞こえる理由がある。 ノイズをカットできると低い声でも女性に聞こえる。 共鳴の位置の変化がノイズの量に影響する。 感覚だけで変えようとすることには限界がある。 高さを追う意識が共鳴の変化を妨げる。

自然な女声を目指す上で、 高い声を出すことよりも、 男性特有のノイズをカットできる発声の状態を作ることが優先されます。

この前提を把握した上で共鳴の位置の変化に向かうことが、 方向を定めるための出発点になります。

男の娘として活動する上で女声に何が必要になるのかについては、 男の娘になりたい人が「女声」を学べるスクールで扱っています。

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