遠回りを減らしたい人へ
声優を目指していると、できるだけ遠回りしたくないと思うのは自然です。時間もお金も体力も限られているからです。
けれども声優志望者の遠回りは、近道を知らないせいだけで起きるわけではありません。むしろ努力している気分が強いほど、遠回りに気づけなくなることがあります。
レッスンを増やす。講座を受ける。台本を何度も読む。情報を集める。これらは一見すると前へ進んでいる行動に見えます。
遠回りを減らす人は、努力を増やす前に外す努力を見ます。
何を足すかより、何をやめるかを早く決めます。
ここが遅い人は、真面目なまま同じ場所に残ります。
少し毒を入れるなら、遠回りしている人ほど自分を頑張り屋だと思っています。頑張っている事実がある分だけ、的が外れている事実を見なくなるからです。
近道を探す人ほど遠回りします
声優に近道はありますかと考える人は多いです。効率の良い練習。受かりやすい方法。伸びる場所。そうしたものを探したくなります。
ただし近道探しが長くなるほど、実演の時間は減ります。記事を読む。動画を見る。体験談を探す。比較する。安心できる材料が見つかるまで動けなくなります。
| 近道を探す人 | 遠回りを減らす人 |
|---|---|
| 情報を集め続ける | 一つ試して録る |
| 失敗しない道を探す | 早く失敗を見る |
| 安心できる答えを待つ | 期限を決めて動く |
| 方法を増やす | 見る点を絞る |
本当に減らせる遠回りは、魔法の近道で消えるものではありません。今日の声を見て、合わない努力を早く捨てることで減ります。
近道を探している間は、まだ自分の声を見なくて済みます。そこが一番危ないです。
目的が広いままだと練習が散ります
声優になりたいという目標は、かなり広い言葉です。アニメをやりたいのか。ゲームをやりたいのか。ナレーションをやりたいのか。朗読で見せたいのか。求められる力は少しずつ違います。
目的が広いままだと、練習も広がります。今日はアニメっぽく読む。明日はナレーションを練習する。次の日は発声に戻る。どれもやっているのに、どれも浅くなります。
| 目的が広い人 | 目的を絞る人 |
| 全部やろうとする | 今見る場を決める |
| 練習が散る | 課題が絞れる |
| 伸びた点が見えない | 変化を比べやすい |
| 不安で足す | 必要な一点を見る |
声優になりたい気持ちは広くても構いません。けれども今日の練習まで広いままだと、遠回りになります。
今のあなたが見るべきなのは、夢の大きさではありません。次の一回で何を変えるかです。
事務所に入ることだけをゴールにしない
声優志望者は、事務所に入ることを大きなゴールにしがちです。所属できれば声優になれる。そこまで行けば報われる。そう考えたくなります。
けれども所属は、仕事が続くことの保証ではありません。名前が載ることと、現場で使われることは違います。
| ゴールにしがちなこと | 本当に見ること |
| 事務所に入る | 声で次も呼ばれる |
| 肩書きを得る | 指示後に変われる |
| プロフィールを作る | 録音で通じる |
| 合格だけを見る | 仕事で再現できる |
所属だけを見ている人は、オーディション用紙や写真や自己紹介に寄りすぎます。もちろん入口の準備は必要です。
けれども入口だけを整えても、声の中身が弱ければ続きません。遠回りを減らすなら、合格後に使われる力から戻って見る必要があります。
まず録音で現在地を見る
遠回りを減らす一番早い方法は、自分の録音を聞くことです。嫌でも今の声が残るからです。
自分では変えたつもりでも、録音では前回と同じことがあります。逆に、自分では不安でも小さな変化が出ていることもあります。
| 録音を聞く人 | 録音を避ける人 |
| 癖を一つ拾える | 感覚だけで悩む |
| 前回との差を見る | 変えたつもりになる |
| 次の練習が決まる | 全部が不安になる |
| 変化を残せる | 努力量だけ残る |
録音は、あなたに優しい評価をくれるものではありません。だからこそ使えます。
少し厳しく言えば、録音を聞かずに遠回りを減らしたいと言う人は甘いです。地図を見ずに道を間違えたくないと言っているようなものです。
練習を増やす前に一つ減らす
伸び悩むと、多くの人は練習を増やします。発声を増やす。滑舌を増やす。台本を増やす。講座を増やす。
けれども遠回りを減らすなら、まず一つ減らした方がいい場面があります。目的のない反復を減らす。見るだけの勉強を減らす。安心のための応募を減らす。
| 減らす候補 | 残すもの |
| 同じ読みの反復 | 別案で読む |
| 見るだけの動画 | 一分録音する |
| 目的のない講座 | 課題に合う場 |
| 数だけの応募 | 出し方の変更 |
減らすことは手抜きではありません。的を外した努力を抱えたままでは、本当に見るべき一点がぼやけます。
努力している人ほど、減らすのが苦手です。減らした瞬間にサボっている気がするからです。
華やかな講座に飛びつく前に見ること
有名な人が教える講座や特別なレッスンは、魅力的に見えます。受ければ何か変わる気がしますし、チャンスに近づいたようにも感じます。
けれども今の自分の課題に合っていないなら、そこで得るのは経験した気分だけです。声の変化が残らないなら遠回りです。
| 飛びつく前に見ること | 理由 |
| 今の課題に合うか | ずれた学びを避ける |
| 声を見てもらえるか | 受け身で終わらせない |
| 次の一回が変わるか | 体験で終わらせない |
| 録音で比べられるか | 変化を残す |
華やかさは、判断を鈍らせます。特別感があるほど、自分に必要かどうかを見なくなるからです。
少し毒を入れるなら、有名な場に行った話が増えても声が変わらない人はいます。思い出は増えますが、マイクの前では思い出を読めません。
無料情報で動いた気になる人
SNSや動画には、声優の練習法が山ほどあります。無料で学べることもありますし、役に立つ情報もあります。
ただし無料情報を集めすぎると、動いた気になりやすいです。保存した。見た。分かった。そこで止まる人が多いです。
| 情報で止まる人 | 情報を使う人 |
| 練習法を保存する | 一つ録って試す |
| 体験談を読む | 自分の課題へ置く |
| 比較を続ける | 期限を決める |
| 正解を探す | 結果で選ぶ |
情報は材料です。あなたの声を変えるのは、情報を使った後の実演です。
調べる時間が増えているのに録音が増えていないなら、かなり危ないです。勉強しているように見えて、声の現実から逃げています。
レッスンを受けるだけで進んだと思う人
レッスンに通うことは大切です。自分では気づけない癖を見てもらえるからです。
けれども出席しただけで前へ進んだと思うなら、そこから遠回りが始まります。レッスンは、受けた事実より次の声に何が残ったかが大事です。
| 通うだけの人 | 使う人 |
| 出席で安心する | 指摘を一つ持ち帰る |
| 褒め言葉を覚える | 直す点を残す |
| ノートに書く | 次の声で試す |
| 回数を重ねる | 同じ注意を減らす |
レッスンを受けた日は、成長した気分になります。けれども翌日の録音が同じなら、通った時間はまだ結果に変わっていません。
遠回りを減らすなら、レッスン後の一回を見てください。そこで変えられないなら、受けた意味は薄くなります。
基礎を逃げ場にしない
基礎練習は必要です。発声や滑舌や呼吸を軽く見ている人は、台詞で崩れます。
ただし基礎をやっているから安心という考えも危険です。基礎が台詞に移っていないなら、練習が別の場所で止まっています。
| 基礎で止まる人 | 台詞に移す人 |
| 声量だけ見る | 距離感を変える |
| 滑舌だけ見る | 意味の切れ目を見る |
| 息だけ見る | 感情の流れに使う |
| きれいに出す | 役の状態で崩す |
発声練習で大きな声を出すと、練習した実感があります。体も疲れます。
けれども台詞で使えないなら、声優の練習としては途中で止まっています。基礎を逃げ場にすると、遠回りは長くなります。
応用に逃げる人も止まります
基礎に逃げる人がいる一方で、応用に逃げる人もいます。感情を乗せる。キャラっぽく読む。派手に動かす。そうした練習は楽しく見えます。
けれども土台が弱いまま派手にしても、聞きにくさや癖が目立つだけです。本人は演じているつもりでも、聞く側にはごまかしに聞こえることがあります。
| 応用に逃げる人 | 土台を見る人 |
| 感情で押す | 言葉を届かせる |
| キャラ声を作る | 役の目的を見る |
| 派手に読む | 相手への反応を見る |
| 雰囲気で乗る | 録音で粗を聞く |
楽しい練習だけを選ぶと、遠回りします。苦手な部分が残り続けるからです。
声優に近づく人は、楽しい練習だけをしません。嫌な録音も聞きますし、つまらない癖も一つずつ見ます。
オーディション用紙だけを整えても足りません
オーディション用紙や写真を整えることは必要です。入口で損をしないためです。
けれどもそこだけに寄ると、声の中身が置き去りになります。写真を変えても、自己紹介を変えても、音源が同じなら本体はあまり変わっていません。
| 整えがちな点 | 同時に見る点 |
| 写真 | 最初の一声 |
| 自己紹介 | 話し方の間 |
| 経歴 | 今出せる声 |
| 文章 | 録音の印象 |
入口の準備は悪くありません。問題は、それで前へ進んだ気になることです。
少し厳しく言えば、オーディション用紙を何度直しても声が変わらない人はいます。紙の上では整っていても、音で聞くと同じままです。
環境のせいにする前に自分の使い方を見る
学ぶ場所が合っていないことはあります。指摘が曖昧すぎる。声を聞いてもらう時間が少ない。課題が見えない。そういう場なら見直す必要があります。
ただし、何でも場所のせいにすると自分の使い方が見えません。良い場にいても、録音を聞かず指摘を声に移さないなら伸びません。
| 場の問題 | 自分の使い方 |
| 指摘が曖昧 | 質問を返せているか |
| 声を見る時間が少ない | 録音を持ち帰るか |
| 課題が広い | 一点に絞るか |
| 褒め言葉が多い | 厳しい材料を探すか |
場所を変える判断は大事です。けれども、自分の使い方を見ないまま移ると同じことをくり返します。
遠回りを減らす人は、場の問題と自分の問題を分けて見ます。ここを混ぜる人は、ずっと誰かのせいにできます。
お金と時間を使うほど引き返せない
声優を目指してお金と時間を使うほど、引き返しにくくなります。ここまでやったのだから、まだ続けたい。ここで変えたら今までが無駄になる。そう感じます。
けれども過去に使ったものは、今の声を良くしてくれません。見るべきなのは、これからの練習が変化に変わるかです。
| 引きずるもの | 見るべきもの |
| 払った費用 | 今の声の変化 |
| 通った年数 | 同じ注意の回数 |
| 受けた講座 | 次の一回の差 |
| 集めた経験 | 外で通るか |
過去を守るために未来を使うと、遠回りは終わりません。これはかなり痛い話です。
少し毒を入れるなら、お金を使った額で本気を証明したがる人は多いです。けれども聞く側は、あなたの支払いではなく声を聞いています。
遠回りを減らす9つの考え方
遠回りを減らすには、努力の量を増やすより考え方を変える必要があります。難しい話ではありません。今日の練習へ戻せる形で見れば大丈夫です。
- 目的:声優になりたいで止めず、今見る場を決める
- 録音:自分の感覚より残った音を信じる
- 期限:いつかではなく何日までに見るか決める
- 一点:全部直そうとせず一つだけ変える
- 別案:同じ台本を同じ読みで終わらせない
- 指摘:書くだけで終わらせず次の声に移す
- 出し方:応募の数ではなく材料の変化を見る
- 場:居心地ではなく課題が見えるかで選ぶ
- お金:不安を消すためだけに使わない
この9つは、声優になる保証ではありません。けれども遠回りを見つける材料にはなります。
全部を一度に変えなくていいです。まず一つだけ選んで、今日の録音に反映させてください。
遠回りを減らす確認表
今の努力が遠回りになっていないかを見るなら、次の表を使ってください。大事なのは、気分ではなく材料で見ることです。
| 確認すること | 危ない状態 |
| 録音で差があるか | 変えたつもりで同じ |
| 同じ注意が減ったか | 何度も同じことを言われる |
| 台本を別案で読んだか | 一つの読みを守る |
| 情報を使ったか | 保存だけで終わる |
| 応募後に変えたか | 同じ材料を出し続ける |
| 場を使えているか | 通うだけで安心する |
| お金の使い道は明確か | 不安で申し込む |
| 期限はあるか | いつかで続ける |
当てはまるものがあるから終わりではありません。見つけた後に変えないことが問題です。
遠回りは、早く見つければ小さくできます。見ないまま続けるほど、努力した量が引き返しにくさへ変わります。
的を外した努力を早めに捨てる判断
声優を目指す遠回りを減らす考え方は、楽をすることではありません。頑張っている気分に逃げず、的を外した努力を早めに捨てることです。
声優志望者は真面目な人ほど、努力を減らすことを怖がります。けれども変化に変わらない努力を抱え続けても、時間だけが過ぎます。
練習を増やす前に録音を聞いてください。講座を増やす前に今の課題を一つ書いてください。応募を増やす前に材料を変えてください。情報を集める前に一分だけ録ってください。
少し厳しく言えば、遠回りしている人は努力不足ではなく確認不足です。頑張る前に見るべきものを見ていません。
遠回りを減らす人は、努力を否定しません。努力を結果に変えるために、外れている努力を捨てます。
的を外した努力を早めに捨てる判断については、頑張っているのに伸びない声優志望者の間違った努力|方向がずれた練習の正体ページで詳しく解説しています。


