声優養成所を調べると、口コミサイトに星の数と体験談が並んでいます。高評価が多いところは安心できそうに見えます。
先に結論を書きます。その評判は判断材料になりません。そして調べ直す方法も質問する手段も、ほとんど用意されていません。
口コミは書かされています
在籍している受講生のところに、養成所の公式アカウントから一斉配信で「口コミをお願いします」という案内が届きます。
形の上では任意です。ただ、受け取る側からすると事情が違います。高評価を押さないといけない無言の圧力があります。
低い評価を書いたら何を言われるか分かりません。所属審査に影響が出るかもしれない。合否を握っているのは相手側です。任意という体裁をとりつつ半ば強制になっています。
つまりあなたが読んでいる高評価はこれから審査を受ける立場の人が、審査する側から頼まれて書いたものである可能性があります。
辞めた人は何も書きません
では悪い評判はどこへ行ったのか。書かれていないだけです。
辞めた人は搾取されただけで何も得られずに出ていきます。口コミを書く気力すら残っていないことが多いです。
仮に書いたとしても効きません。たった1人が低評価を書いたところで、何の影響もないからです。高評価は養成所側がいくらでも増やせます。分母を動かせる側と1票しか持たない側の勝負になりません。
ここから読み方が一つ決まります。極端に高評価が多いところは、ほぼ全てが自作自演の身内評価だと考えていい。星の数が多いことは安心の材料ではなく、集める仕組みがあることの証拠です。
体験レッスンは広報イベントです
「実際に行って確かめればいい」と考える人は多いです。ただ、体験レッスンで見られるのは通常クラスではありません。
| 体験レッスン | |
|---|---|
| 人数 | 10人〜30人 |
| 講師 | ランダム(誰が来るかは選べません) |
| 中身 | 楽しく夢を見させる場。有名声優が来ることもあります |
テーマパークのショーだと思ってください。広報イベントなので楽しくなるように作られています。楽しかったという感想は通常クラスの評価にはなりません。
「事務所直属」は特別なことではありません
看板として強調されるので誤解されがちですが、声優養成所は基本的に事務所直属です。
理由は単純で事務所がお金を儲けるため、お金になる新人声優を育てるために養成所を設立しているからです。直属であること自体は、あなたに向けた特典ではありません。
逆に言うと直属ではない養成所はただの声優専門学校です。「直属だから所属に近い」と読むのも「直属だから危ない」と読むのも、どちらも的を外しています。直属が普通です。その仕組みは声優養成所の闇|夢で儲ける集金ビジネスの実態に書いています。
調べ直す方法がありません
ここが一番きついところです。
- 口コミ … 書かされたものと書かれなかったもので出来ています
- パンフレット … 良いことしか書いてありません
- 体験レッスン … 広報イベントです
正直に言って外からはほとんど何も分かりません。声優業界はグレーな商売なので、明るみに出さない部分が非常に多いのです。
そして質問して確かめることもできません。そもそも質問できる場が用意されていないうえ、詳しく聞くと「めんどくさい奴」扱いされることがザラにあります。声優志望者にそこまでの権利は与えられていません。
「やめとけ」「やばい」と言われる理由の中身はここです。厳しいから危ないのではありません。確かめる手段がないまま、お金だけ先に確定するから危ないのです。
そして怖いのは入った後もこの状態が続くことです。中に入れば分かると思っていたことが、入っても分かりません。自分がどう見られているのか、あと何年いれば変わるのか誰も教えてくれない。これが声優養成所の現実です。
唯一はっきりしている数字
ひとつだけ、入る前に確実に分かるものがあります。年間の費用総額です。これはパンフレットを読めば書いてあります。
| 入る前に分かるか | |
|---|---|
| いくら払うか | 分かります |
| 何が返ってくるか | 分かりません |
| クラスの実際の人数 | 分かりません |
| 自分がどう扱われるか | 分かりません |
判断材料が費用しかないということは、判断の仕方も一つしかないということです。金額の実際は声優専門学校の闇|230万円の学費だけでは終わらない搾取に、卒業後に何が残るのかは声優養成所の卒業生はどこへ行ったのかに書いています。
それでも入ると決めたなら
- 払える上限を入る前に決めてください。確実に分かるのは費用だけなので、そこでしか線が引けません
- 期限を決めてください。養成所には終わりが設定されていません。自分で置かないと何年でも続きます
- 高評価の多さを理由にしないでください。それは集める仕組みがあることの証拠であって、中身の証拠ではありません
評判が当てにならないことは、その養成所が悪いという意味ではありません。評判という仕組み自体が確かめる用途に耐えられないだけです。所属審査がどう決まっているかは声優のスカウトは実在するのかに、倍率の実数は声優オーディションの倍率は何倍かに書きました。
分からないまま進むのか、分からないから引くのか。そこは決められます。分かったつもりで進むのだけは避けてください。


