声優養成所の年間レッスン回数は多く見えるだけです
声優養成所の募集を見ると、年間レッスン回数がしっかり用意されているように見えます。週1回で年間48回ほど通えるなら、かなり学べる気がします。
けれどその数字は、あなた一人が指導を受ける回数ではありません。教室に行く回数であり、クラス全員が同じ枠を分け合う回数です。
| 表に出る数字 | 実際に見るべき数字 |
|---|---|
| 年間48回 | 自分が声を出す回数 |
| 1回150分 | 自分に返る時間 |
| 週1回通学 | 声が変わった量 |
| 有名講師 | 自分を見た分数 |
年間48回という数字は、志望者を安心させます。毎週通う予定があると、自分が前へ進んでいるように感じるからです。
けれど声優の訓練は、出席回数だけでは積み上がりません。自分の声を出し、直され、もう一度試す時間が必要です。
毒を含めて言えば、年間48回という数字はかなり上手い見せ札です。多く見えます。まじめに通えば伸びる気がします。けれどその中であなた個人が何分見られるかは、別の話です。
1回150分でもあなたの時間は15分かもしれません
声優養成所のレッスン時間は、1回150分のように書かれることがあります。数字だけを見ると、かなり長く感じます。
しかし150分はクラス全体の時間です。10人いれば10人で分けます。20人いれば20人で分けます。
150分 ÷ 10人 = 15分
150分 ÷ 20人 = 7.5分
このように割ると、あなた一人の時間は急に小さくなります。講師の説明や準備時間もあるため、実際にはもっと少なく感じる場合もあります。
| クラス人数 | 150分を単純に割った時間 |
|---|---|
| 5人 | 30分 |
| 10人 | 15分 |
| 15人 | 10分 |
| 20人 | 7.5分 |
| 30人 | 5分 |
この表を見ると、人数の重さが分かります。1回150分という数字だけでは、学びの濃さは判断できません。
あなたが本当に買っているのは、教室に座る時間ではありません。自分の声が見られる時間です。
毒を抜かずに言えば、150分の授業という言葉は立派に見えます。けれどあなたの番が7分なら、残りの時間はほぼ他人の練習を眺める席代です。
年間48回でも個別に見られる時間は12時間程度です
ここで、よくある数字を使って一年分を見てみます。1回のレッスンであなたが直接見られる時間を15分とします。
年間48回通った場合、あなた個人に向けられる時間はこうなります。
15分 × 48回 = 720分
720分 = 12時間
一年通っても、直接見られる時間は12時間程度です。週1回で一年通った重みと比べると、かなり少なく見えるはずです。
| 見え方 | 実際の時間 |
|---|---|
| 一年通った | 直接時間は約12時間 |
| 毎週レッスン | 自分の番は毎回15分程度 |
| かなり学んだ気がする | 直された時間は半日分 |
| 通学習慣ができた | 声の訓練量とは別 |
12時間という数字を見た時に、きついと感じる人もいるはずです。一年分の努力が、直接指導だけで見れば半日ほどになるからです。
もちろん見学の時間にも意味はあります。他人の読みから学べることもあります。
けれど自分の声を変える中心は、自分が声を出して返答を受ける時間です。そこが12時間程度なら、成長の遅さには理由があります。
毒を含めて言えば、あなたは一年通った自分を褒めたくなります。けれど数字は冷たいです。一年の在籍が、たった12時間の直接時間にすり替わっている場合があります。
12時間では声の癖を根こそぎ直すには足りません
声の癖は、一度注意されただけでは消えません。息が漏れる。語尾が落ちる。母音が流れる。感情が音に乗らない。こうした癖は体に染みついています。
12時間で全てを直すのはかなり難しいです。しかもその12時間は、毎週15分ずつに細切れになっています。
| 直したいこと | 必要になりやすい時間 |
|---|---|
| 息の使い方 | 反復が必要 |
| 語尾の処理 | 読み直しが必要 |
| 滑舌の癖 | 録音確認が必要 |
| 台本の理解 | 会話の時間が必要 |
| 役との相性 | 複数の試し読みが必要 |
一つの癖を見つけるだけでも時間がかかります。見つけた後に直し、もう一度読んで確認する時間も必要です。
15分では、台本を読んで一言もらうだけで終わることがあります。読み直しまで進めない場合もあります。
毒を含めて言えば、12時間で声優として使える声に変われるなら誰も苦労しません。現実には、癖を見つける前にあなたの番が終わることすらあります。
細切れの15分は思ったより薄いです
1回15分と聞くと、短くても集中すれば使えると思うかもしれません。けれど実際の15分はかなり薄いです。
マイク前に立つ。台本を開く。最初の数行を読む。講師が止める。一言返る。読み直す。その流れだけで時間は消えます。
| 15分の中で起きること | 残りやすいもの |
|---|---|
| 準備する | 時間が減る |
| 台本を読む | 一回で終わる |
| 指摘を受ける | 理解だけ残る |
| 読み直す | 途中で時間切れ |
| 次の人へ移る | 課題が中途半端 |
声の訓練で大事なのは、直った音を確認することです。指摘を聞くだけでは足りません。
けれど15分では、指摘を受けるところで終わりやすくなります。変化を見るところまで行きにくいです。
指摘された = 直ったではありません
読み直して変化を聞いた = 訓練です
毒を含めて言えば、短い講評で分かった気になるのが一番危ないです。分かった顔で席へ戻り、翌週には同じ癖を出します。
通っている実感と伸びている実感は違います
毎週レッスンへ通うと、努力している実感は出ます。決まった曜日に教室へ行き、台本を読み、講師の話を聞くからです。
けれど通っている実感と、伸びている実感は違います。出席は行動です。変化は結果です。
| 通っている実感 | 伸びている実感 |
|---|---|
| 毎週校舎へ行く | 録音で変化が分かる |
| 台本を読む | 読みの癖が減る |
| 講師に会う | 課題が具体的になる |
| 同期と話す | 外で通じる音になる |
通っているだけで安心してしまう人は多いです。何もしていないわけではないと思えるからです。
しかし声優の仕事は、努力の雰囲気では選ばれません。音で見られます。役に合うかで判断されます。
毒を含めて言えば、出席回数は心を支えます。けれどマイクは出席カードを見ません。出る音しか見ません。
見学時間は勉強になりますが主役ではありません
多人数レッスンでは、他の受講生の読みを見る時間が多くなります。講師から、見学も勉強ですと言われることもあります。
その言葉が全部嘘とは言いません。他人の失敗や良い読みから学べることはあります。
けれど見学は補助です。主役ではありません。自分の声を直される時間の代わりにはなりません。
| 見学で得られるもの | 自分の実技で得られるもの |
|---|---|
| 他人の癖の例 | 自分の癖の発見 |
| 良い読みの参考 | 自分の音の変化 |
| 講師の言葉 | 自分への課題 |
| 場の空気 | 緊張下の反応 |
他人の講評を自分へ置き換えられる人はいます。けれど初心者には難しいです。
自分の声を客観的に聞けない段階で、他人への注意を自分の練習に変えるのはかなり難しいからです。
毒を含めて言えば、見学も勉強という言葉は高い待ち時間を正当化します。あなたが座っているだけでも、授業を受けていることにできるからです。
12時間の指導に対して払う金額を考えてください
この話は学費記事と少し近くなりますが、ここでは時間の重さとして見てください。一年で直接見られる時間が12時間程度なら、その時間へどれだけ払っているのかを考える必要があります。
たとえば年間総額が60万円なら、12時間で割るとこうなります。
600,000円 ÷ 12時間 = 1時間あたり50,000円
年間80万円ならこうです。
800,000円 ÷ 12時間 = 1時間あたり約66,667円
この数字を見れば、ただの習い事としてはかなり重いことが分かります。もちろん養成所には校舎や講師や事務局の費用もあります。
けれどあなたが見たいのは、支払ったお金が自分の声にどれだけ返るかです。
| 年間総額 | 直接時間12時間で割った目安 |
|---|---|
| 360,000円 | 1時間あたり30,000円 |
| 600,000円 | 1時間あたり50,000円 |
| 800,000円 | 1時間あたり約66,667円 |
| 1,000,000円 | 1時間あたり約83,333円 |
この表を見ても、まだ通う価値があると思えるなら検討できます。けれど講評が曖昧で、録音も変わらないならかなり危険です。
毒を含めて言えば、あなたは声の指導に払っているつもりでも、実際には待ち時間と看板代までまとめて払っています。
有名事務所の看板は時間の少なさを隠します
大手事務所の養成所は魅力的に見えます。所属声優の名前があり、卒業生の実績もあり、講師の肩書きも強いからです。
しかし看板が大きいことと、自分への時間が多いことは別です。有名な場所ほど受講生も集まりやすく、クラスが大きくなる可能性もあります。
| 看板で安心する理由 | 実際に見ること |
|---|---|
| 有名事務所 | 自分を何分見るか |
| 有名声優 | 直接返答があるか |
| 卒業生実績 | 自分が選ばれる道 |
| 大きな校舎 | 声の変化 |
看板は信頼を作ります。けれどその信頼で、自分の持ち時間が増えるわけではありません。
有名講師がいても、自分の番が10分なら10分です。大手の名前があっても、あなたの録音が変わらなければ意味は薄いです。
毒を含めて言えば、大きな看板ほど待ち時間を美しく見せます。あなたは有名な場所にいる自分へ満足し、実際に何分見られたかを忘れます。
年間48回の中に薄い回が混ざります
年間48回といっても、毎回濃い実技になるとは限りません。オリエンテーション。全体説明。発表会前の確認。審査の案内。こうした回もあります。
その分、自分の声を細かく見られる回は減ります。
| 回の種類 | 自分の声への返り |
|---|---|
| 実技中心 | 返りやすい |
| 全体説明 | ほぼ返らない |
| 発表会準備 | 場の流れが中心 |
| 審査案内 | 手続きが中心 |
| 全体講評 | 自分用とは限らない |
年間48回という数字の中身を見てください。全部が自分の実技ではありません。全部が個別指導でもありません。
実技の回が少ないなら、年間12時間という目安より薄くなることもあります。
毒を含めて言えば、回数が多いほど安心できます。けれど回数の中身が薄ければ、あなたは通学予定を消化しているだけです。
レッスンの記録を取らないと薄さに気づけません
実際の指導時間を知るには、自分で記録するしかありません。毎回、何分読んだか。何分講評を受けたか。何を言われたか。これを残します。
感覚だけで判断すると、通った満足感に負けます。
| 記録すること | 見えること |
|---|---|
| 実技時間 | 自分の番の長さ |
| 講評時間 | 返答の量 |
| 講評内容 | 具体性 |
| 読み直しの有無 | 変化を見たか |
| 録音の前後 | 声が変わったか |
一か月だけでも記録してください。自分の直接時間が見えます。
三か月記録すれば、かなりはっきりします。毎回数分しか見られていないのか。講評が同じ言葉の繰り返しなのか。録音が変わっているのか。
毒を含めて言えば、記録しない受講生は扱いやすいです。自分がどれだけ待っているかを知らないまま、努力している気分で残ってくれるからです。
年間12時間で足りる人と足りない人がいます
年間12時間程度でも伸びる人はいます。自分で録音して直せる人。他人の講評を使える人。外で練習量を確保できる人。質問して自分の課題を取りに行ける人です。
けれど多くの初心者には足りません。自分の声の癖も分からず、台本の読み方も手探りだからです。
| 12時間でも使える人 | 足りない人 |
|---|---|
| 自分で録音する | 録音を避ける |
| 質問できる | 黙って待つ |
| 課題を持ち帰る | その場で満足する |
| 外で練習する | レッスン頼みになる |
| 期限を決める | だらだら通う |
年間12時間を使える人は、自分で不足分を埋めます。養成所だけに期待しません。
反対に、養成所が何とかしてくれると思っている人にはかなり足りません。教室へ行くだけで声が変わるほど甘くないからです。
毒を含めて言えば、12時間を生かせる人は最初から自走しています。自走できない人ほど、養成所の薄い時間に飲まれます。
直接時間が少ないと退所判断も遅れます
直接見られる時間が少ないと、自分の現実が分かりにくくなります。何が悪いのか。どこが伸びていないのか。講師にどう見られているのか。全部が曖昧になります。
この曖昧さは、退所判断を遅らせます。まだちゃんと見られていないだけかもしれない。次の審査で変わるかもしれない。そう思えるからです。
| 時間が少ないことで起きること | 危ない結果 |
|---|---|
| 評価が曖昧 | 可能性が残った気になる |
| 課題が浅い | 努力方向が決まらない |
| 変化が見えない | 続ければ変わると思う |
| 理由が返らない | 自分を責める |
はっきり見られていれば、続けるか離れるかを判断できます。けれど薄く見られているだけだと、希望だけが残ります。
毒を含めて言えば、曖昧な評価は月謝を長持ちさせます。だめと言われないから残れます。良いとも言われないから不安で残ります。
入所前に年間の実質時間を聞いてください
声優養成所へ入る前に、年間の実質時間を聞いてください。年間回数ではありません。あなた一人が声を出し、講評を受ける時間です。
聞くべきことは具体的です。
- 一クラスは何人ですか
- 一回のレッスンで全員が読みますか
- 一人あたり何分読めますか
- 講評は何分ほどありますか
- 読み直しはありますか
- 録音への返答はありますか
- 年間48回のうち実技は何回ですか
- 全体説明だけの回はありますか
- 発表会準備は通常回に含まれますか
- 欠席者がいる場合に自分の時間は増えますか
この質問に答えられない場所は注意してください。年間回数だけを見せて、個人時間を出さない場所はかなり危険です。
| 返答 | 判断 |
|---|---|
| 人数と時間を出す | 検討しやすい |
| 実技回数を出す | 中身を見やすい |
| その日によるだけ | 注意 |
| 入ってから分かる | 危険 |
| 質問を嫌がる | かなり危険 |
毒を含めて言えば、数字を聞く志望者は相手にとって面倒です。けれど面倒な人ほど、12時間の現実を入所前に見抜けます。
1年間で12時間程度なら補う方法も考えてください
もし今の養成所で直接時間が少ないなら、補う方法を考える必要があります。養成所をすぐ辞めるかどうかは別として、足りない時間を足す必要があるからです。
録音を増やす。自主練の課題を決める。外で個別に見てもらう。講師へ質問する。体験だけで比べる。こうした動きが必要です。
| 足りないもの | 補う動き |
|---|---|
| 実技時間 | 自主録音を増やす |
| 個別講評 | 質問を出す |
| 読み直し | 自分で録り直す |
| 役の方向 | 外の評価を見る |
| 判断材料 | 期限を決める |
ただ通うだけでは足りません。年間12時間程度しか直接見られないなら、残りは自分で作るしかありません。
ここで注意したいのは、追加費用に流されすぎないことです。足りないからといって何でも払えばいいわけではありません。
毒を含めて言えば、足りない時間を作った側が、追加講座でまた売ってくることもあります。薄い本体に高い追加を乗せるなら、かなり冷たく見るべきです。
年間12時間の現実を知ってから通うか決めてください
声優養成所のレッスンは、年間48回と聞くと多く見えます。1回150分と聞くと濃く見えます。大手や有名講師の名前があれば、なおさら安心したくなります。
けれど計算すると、あなた一人が直接見られる時間は一年で12時間程度かもしれません。クラス人数が多ければ、それより少ない場合もあります。
見るべきなのは、この三つです。
- 年間回数ではなく自分の直接時間
- 講評の長さではなく具体性
- 通った実感ではなく録音の変化
この三つが見えないまま入るのは危険です。すでに通っているなら、今から記録してください。
毒を含めて最後に言います。あなたは一年を差し出して、半日分の直接指導を買っている可能性があります。教室のにぎわいや有名な看板で、その現実を隠してはいけません。
声優になりたいなら、通っている時間ではなく声が変わる時間を見てください。年間12時間程度の薄い直接時間に高額を払うなら、その時間で何を得たのかを冷たく数えるべきです。
多人数レッスンでは声優になれない理由|声が埋もれる教室の現実ページで詳しく解説しています。


