声優になれない人はとても多い。これは失敗談でも珍しい例でもありません。毎年たくさんの人が声優を目指し、そのほとんどが夢を折られて消えていきます。
「努力が足りなかったから」「才能がなかったから」。そう言われがちですが、それだけで説明できる話ではありません。なれない人には共通点があります。多い順に書きます。
声優になれない人の特徴はこの5つです
- 声が小さい
- コミュニケーション能力が低く受け答えがハッキリできない
- 自主的に行動せず他人任せ
- 礼儀やマナーが整っていない
- 嘘をつく
5つのうち演技の上手さに関わるものは1つもありません。声の小ささは基礎のボイトレで変えられる余地があります。半年ほどで声が通りやすくなるといった効果が表れます。自宅で続けられる練習は自宅でできる声優のボイトレにまとめています。残りの4つは技術の手前で決まっているものです。周りから「痛い」と言われる声優志望者の形は声優になりたいのは恥ずかしい?に書いています。
入所審査で断るのも実力ではありません
メイクリの入所審査でも、断る判断をするのは次の4つに当てはまる方です。
- 他力本願な方
- 一般常識が身についていない方
- ヒアリングの際に嘘をつく方
- コミュニケーション能力が極端に低い方
審査で見ているのは現在の実力ではなく、取り組む姿勢です。未経験であることや今は下手であることは、断る理由になりません。上の「なれない人の特徴」とほとんど重なっていることに気づくと思います。入所審査の考え方はメイクリとはに、未経験から入る場合の課題はメイクリは初心者でも入所可能?に書いています。
声優の仕事は想像よりずっと要求が多い
演技力や滑舌・綺麗な発声は、もはや評価の対象になりにくい。できて当たり前だと求められます。上手い演技ができる人はあなたの他にも大量にいます。男性ならイケボ、女性なら萌え声や可愛い声。これも特別な武器ではありません。出せる人が多すぎるからです。
そのうえで声以外がかなり見られています。
- 顔立ちや雰囲気。画面に出たときの印象、宣材写真を見た瞬間の空気。「声の仕事だから見た目は関係ない」は現場では通用しません。美人やイケメンほど高得点を得られます
- 社会的な常識や言葉遣い、礼儀やマナー。収録現場は限られた時間で仕事を終わらせる場所です。空気を読めない人、段取りを理解できない人はそれだけで敬遠されます
- 明るさとコミュニケーション能力。無理にテンションを上げることではありません。楽しく雑談ができて相手に気を遣わせない距離感を保てることです。真面目すぎる人ほど、ここで苦労します
- トーク力。沈黙を怖がらず空気を重くしないこと。これらはレッスンだけでは身につきません
そして最後に「この人でなければならない理由」が求められます。声・演技・雰囲気・存在感。どれか一つでもそれがなければ、事務所に所属する前の段階で止まります。
オーディションも同じです。声優は今やタレント業です。スターになれそうな魅力に乏しい人は全員落とされます。恐ろしくインフレしているのです。
ここまで読んで「あまりに理不尽で、要求が多すぎる」と感じたかもしれません。その通りです。あなたの感覚は正しいです。しかしそれが声優という職業なのです。見た目の話で追い詰められていく流れは整形までする声優志望者たちに、現場の暗黙のルールは声優業界は何故こんなに闇深いのかに書いています。
向いていない声はあるのか
声質で向き不向きが決まるのか。鼻声や喉声に聞こえる声質の人はボイトレで苦労するかもしれません。喉声かどうかの見分け方と直し方は喉声の治し方に書きました。
とはいえ声が良いかどうかで決まる世界でもありません。上に書いたとおりイケボも萌え声も、出せる人が多すぎて武器にはなりません。反対に特徴のある声は、「この役だけは誰よりも上手い」という尖った個性に磨けば武器になります。その磨き方は声優は才能か努力かに書いています。
自分の立ち位置が見えない人は努力が空回りします
声優になれない人が多いのは努力しないからではありません。努力しても届く方向に向いていない人が、そのまま走り続けてしまうからです。
問題は、自分がどこに立っているのかを正確に把握できないことです。今の実力で事務所のオーディションに通る水準なのか。どこが致命的に足りていないのか。それは時間をかければ埋まる差なのか、方向を変えないと埋まらない差なのか。
集団レッスンの中では、この判断がさらに難しくなります。上手い人は上手い。下手な人は下手。その中間にいる人ほど自分の立ち位置を誤解します。「自分はそこそこできている」と思い込んだまま何年も同じ場所を回り続ける人もいます。
向いている人の特徴はこの3つです
- コミュニケーション能力が高く愛嬌のある人
- 努力を苦労だと思わないストイックな人
- 物事を客観的に冷静に見られる人
なれない人の特徴とちょうど裏返しになっています。3つ目は才能そのものでもあります。自分の現状や能力を冷静に客観視できる人は、才能がある。ただ、これがいちばん難しいのです。
向いていないと気づいたら、辞め時は自分で決めてください
向いていないと気づいても諦められないのであれば、それが答えです。辞め時はご自身で決めるものです。他人に決められると後悔するだけです。
ただし判断を先送りにはしないでください。声優業界が厳しいと言われる理由は、才能のある人が落ちるからではありません。努力を言い訳に判断を後回しにしやすい形になっている。それだけです。
声優を目指すなら、まず必要なのは安心できる場所でも夢を語れる仲間でもありません。今の自分に何が足りていないのかを感情抜きで教えてくれる環境です。「声優になりたい人はほぼなれない」という緒方恵美さんの発言が正しい理由は声優になりたい人はなぜなれないのかに書いています。


