オンライン特化型の声優スクール『メイクリ』では、声優志望者に関する相談を日常的に受けています。
生徒さんの中には「VRChatでバ美肉をやりたい」「男の娘として【声】も成立させたい」という目的の人もいます。
VRChatは見た目の説得力を作ること自体は難しくありませんよね。
可愛いアバター、いわゆる「ガワ」はお金さえ払えば手に入ります。
でも最後に必ず問題点として残るのが「声」です。
ここが一致しないとどれだけアバターが可愛くても違和感が消えません。
そして女声は、やってみると分かりますが「練習すればそのうち出る」タイプのスキルではありません。
最初につまずく場所が共通しています。今回はそこを順番に書いていきます。
つまずき①「一瞬出た」を成功だと思ってしまう
女声を目指す人は、最初にそれっぽい音が出る瞬間があります。
この瞬間に「できた」と思うのが最初の落とし穴です。
VRChatで求められるのは短い一言ではなく会話です。
一瞬の声色ではなく「数分しゃべっても崩れない声」です。
最初の段階で起きるのはだいたいこのパターンです。
・最初の一言だけそれっぽい
・2文目から急に戻る
・笑うと崩れる
・相づちで音色が変わる
ここで「メンタル」や「慣れ」と片付けると長引きます。
技術以前に、安定の前提が足りていません。
つまずき②「高さ」を上げれば女声になると勘違いする
女声の話はどうしても高い声に引っ張られます。
でも実際は、音程だけを上げても「細い男声」になりやすいです。
VRChatだと特にマイクや圧縮の影響で粗が出ます。
本人は高くしているつもりでも聞き手には「性別の手がかり」が残ります。
ありがちな症状はこれです。
・高くすると息が続かない
・高くすると喉が締まる
・高くすると声がかすれる
・高くすると滑舌が崩れる
「高さを上げる」方向だけで頑張ると、喉に負担が溜まるのに女声としては成立しにくい。
これが2つ目のつまずきです。
つまずき③「声真似」に寄せてしまう
VRChatでバ美肉をしたい人には必ず「理想の声」があります。
可愛い、幼い、アニメっぽい、甘い。そういう方向に寄せたくなります。
でもここで多くの人が「声真似」方向に走ります。
つまり「作った声」を出そうとして喉と呼吸が破綻します。
結果としてこうなります。
・会話の途中で維持できない
・テンションが上がると崩れる
・周りの声量に合わせると壊れる
・自分の声が怖くなって黙る
VRChatで必要なのは、まず「キャラ声」ではありません。
先に必要なのは「会話として成立する安定」です。ここを飛ばすと長く続きません。
つまずき④「一人練習」だけで何とかなると思ってしまう
女声は、自分の耳が一番信用できません。
自分の頭の中で聞こえる声とマイクを通って相手に届く声は全く違います。
VRChatだとさらにズレます。
環境音、回線、圧縮、相手の再生環境。
ここで「良くない成分」だけが強調されることがあります。
だから独学だと、次の地獄が起きます。
・何がダメなのか分からない
・直す方向が毎回変わる
・成功体験が再現できない
・喉だけ消耗して焦る
ここで必要なのは根性や努力ではなく客観的な分析です。
「自分が今どんな声として届いているか」を、外側の基準で見ないと迷子になります。
つまずき⑤「安心して崩せる場所」がない
これ、意外と大きいです。
VRChatで女声を試すのって普通に怖いです。通話の相手がいるから。
笑われたくない。バレたくない。
中途半端な声を出して、もう戻れない感じになりたくない。
だから試さない。練習もしない。結局変わらない。
女声は「崩していい時間」がないと安定しません。
会話の中で崩れた瞬間に、原因を切り分けられなくなるからです。
この「試せない問題」を放置すると、いつまでも入口で止まります。
まとめ
VRChatで女声を出したい人が最初につまずくのは、だいたいこの5つです。
・一瞬出たを成功だと思う
・高さで押し切ろうとする
・声真似方向に寄せる
・独学で迷子になる
・安心して崩せる場所がない
女声は気合で抜ける壁じゃありません。
「何を成立とするか」の基準がないまま練習しても、同じ場所で詰まります。
※女声が一時的に出ても続かない理由については、女声が安定しない理由の中で詳しく触れています。
少なくともオンライン特化型の声優スクール『メイクリ』では、理想のバ美肉を目指している生徒さんにこの前提を無視したまま努力することは勧めていません。


