オンライン特化型の声優スクール・メイクリでは、 声優を目指したい人から「声優養成所に1年間80万円払ったが、どのくらいの指導を受けられるのかが分からない」という相談を受けることがあります。
声優事務所が直接運営している。 プロの声優が講師として関わっている。 1年間しっかり学べるはずだ。
こうした前提で入所を検討しているケースがあります。
80万円という費用に対して、 実際に受ける指導の量を計算すると、 見えてくる数字があります。
このページでは、 声優養成所の費用80万円で実質12時間しか指導を受けられない理由を整理します。
実質指導時間の計算
声優養成所の費用80万円に対する実質指導時間を計算します。
前提条件は以下の通りです。 レッスン形式:多人数制(10人クラス) 1コマのレッスン時間:平均2.5時間 月のレッスン回数:月4回 在籍期間:1年間(12か月)
まず一人あたりの実質的な指導時間を出します。
2.5時間 ÷ 10人 = 約15分
これが1回のレッスンで自分に使われる時間です。
次に1年間のレッスン総回数を出します。
月4回 × 12か月 = 48回
48回のレッスンに15分を掛けると、 1年間で自分に使われた実質的な指導時間が出ます。
15分 × 48回 = 720分 = 約12時間
1年間、声優養成所に通い続けた結果として、 自分に向けられた指導時間の合計は約12時間です。
80万円を12時間で割ると出る数字
実質指導時間が約12時間と分かった上で、 費用80万円を割ります。
800,000円 ÷ 12時間 = 約66,000円
1時間あたり約6万6千円。
これが声優養成所の費用を時間単価で見たときの数字です。
声優学校の時間単価が約11万4千円であることと比べると、 声優養成所の方が安くなります。
ですが個人のマンツーマンボイストレーニングの時間単価が 7,000〜9,000円程度であることと比べると、 7〜8倍の差があります。
1年間80万円という費用に対して、 実際に受け取る指導の量が12時間であるという実態は、 総額だけを見ていると把握できません。
12時間という数字が意味すること
約12時間という数字を別の視点から確認します。
マンツーマンで月4回、1回50分のレッスンを受ける場合、 1か月で受ける指導時間は約3.3時間です。
声優養成所で1年間かけて受ける実質指導時間12時間は、 マンツーマンで月4回のレッスンを受けた場合の約3.6か月分に相当します。
1年間という期間をかけて受けた指導が、 別の形式では約3〜4か月で受けられる量に相当する。
この差は形式の差から生まれています。 多人数で時間を分け合う形式では、 1年間という期間の長さにかかわらず、 一人あたりの指導時間が構造的に限られます。
声優養成所が多人数制である理由
声優養成所の指導が多人数制である理由があります。
声優事務所が直接運営する養成所は、 多数の入所者を同時に管理する必要があります。
一人ひとりにマンツーマンで指導することは、 運営コストの観点から現実的ではありません。
多人数制でレッスンを行うことで、 多くの入所者を同時に在籍させることができます。
これは養成所の運営として合理的な選択です。
ですが入所者の側からすると、 多人数制という形式が一人あたりの実質指導時間を限定することになります。
養成所が多人数制を採用していることの背景を把握した上で、 実質指導時間を計算することが必要です。
48回通っても指導時間が少ない構造
1年間で48回レッスンに通うという事実は、 積み重ねの多さとして感じられます。
48回という回数は、 週に1回通う場合の1年分に相当します。
ですが1回あたりの実質的な指導時間が15分という状態では、 48回という回数が積み重なっても、 指導の総量は12時間に留まります。
回数の多さと、 指導の量の多さは別の話です。
48回通ったという事実が、 十分な指導を受けたという感覚を生みやすい。
ですが時間として計算すると、 12時間という数字が実態です。
費用と実質指導時間を並べた上で判断する
ここまで見てきた内容に共通しているのは、 声優養成所の費用80万円で実質12時間しか指導を受けられない理由が、 多人数制という形式の構造から来ているという点です。
実質指導時間は1回約15分になる。 1年間の合計で約12時間になる。 80万円を12時間で割ると時間単価は約6万6千円になる。 12時間はマンツーマン月4回の約3〜4か月分に相当する。 養成所が多人数制である構造的な理由がある。 48回という回数と指導の量は別の話。
80万円という費用と1年間という期間に対して、 実際に自分が受ける指導の量を確認することが、 入所前の判断材料になります。
声優養成所という選択肢が持つ構造的な問題については、 声優養成所に入っても声優になれない人が多い理由で扱っています。

