オンライン特化型の声優スクール・メイクリでは、 20代後半で声優養成所への応募を検討しているという人からの問い合わせを受けることがあります。
「今から養成所を受けても意味があるのか」という問いに対して、 意味があるともないとも断言できません。
ただ、20代後半で養成所を選ぶことには、 事前に把握しておくべき構造的な問題があります。
養成所を受けるかどうかを決める前に、 養成所という仕組みの中身を確認することが先です。
声優養成所の基本的な仕組み
声優養成所は、 声優事務所が自社への所属候補を育成することを目的とした機関です。
通常の声優スクールとは異なり、 養成所を運営している事務所への所属を前提とした育成が行われます。
養成所の期間は1〜2年程度が多く、 その間に行われる定期的な審査を通過した人が、 事務所への所属候補として残ります。
全員が事務所に所属できるわけではなく、 養成所を修了しても次のステップに進めない人が多くいます。
この仕組みを理解した上で、 20代後半という年齢で養成所を選ぶかどうかを判断することが必要です。
20代後半で養成所を受けることの年齢制限問題
20代後半で養成所を受ける場合、 最初に直面する問題が年齢制限です。
多くの大手声優事務所の養成所には年齢制限が設けられており、 20代前半を対象にしている枠が多いです。
具体的には、 20歳〜25歳程度を上限にしているケースが多く、 27歳・28歳・29歳になると応募できない養成所が増えます。
年齢制限がある理由は、 事務所側が長期的な育成とキャリア形成を見据えているためです。
20代後半で養成所への応募を考えている場合、 まず応募できる養成所がどの程度あるかを確認することが最初のステップです。
応募できる養成所の数が限られることは、 選択肢の母数が小さくなることを意味します。
年齢制限をクリアした場合のリスク
年齢制限をクリアして養成所に入れた場合でも、 リスクがあります。
養成所の中では、 10代・20代前半から入所した人たちと同じ環境で評価されます。
声優の経験年数や声の完成度において、 10代から練習を積んできた人と同じ土俵で審査される状況が発生します。
養成所での審査は、 現時点での実力だけでなく将来性も判断材料になります。
20代後半という年齢は、 将来性の評価において不利になる場面があります。
年齢制限をクリアして養成所に入ることと、 その養成所で結果を出せることは、 別の問題として考える必要があります。
養成所の集団指導と修正速度の問題
声優養成所の多くは集団指導形式を採用しています。
複数の所属候補が同じカリキュラムを受け、 定期審査に向けて練習を積む構造です。
集団指導では、 一人あたりに割ける指導の時間が限られます。
個別の発声の癖、滑舌の問題、感情表現の方法は一人ずつ異なりますが、 集団向けの指導ではこれらに個別に踏み込む時間が確保しにくい構造になっています。
20代後半という年齢で修正速度が遅い環境に入ることは、 伸びないまま審査の時間を迎えるリスクを持ちます。
養成所を選ぶ場合でも、 個別の修正がどの程度行われるかを事前に確認することが必要です。
養成所の費用と期間のコスト
声優養成所の費用は、 月額数万円から年間数十万円程度のケースが多いです。
1〜2年の期間を考えると、 総額は数十万円から100万円を超えるケースもあります。
20代後半でこの費用と期間を投入した場合、 養成所修了時の年齢を計算することが重要です。
27歳で1年制の養成所に入れば修了時は28歳。 2年制であれば29歳になります。
修了後に事務所に所属できなかった場合、 時間と費用を使い直してスタートラインに立つことになります。
養成所という選択肢のコストを、 修了後の現実と照らし合わせて計算することが必要です。
養成所以外の選択肢と比較することの重要性
20代後半で声優養成所を受けることを検討している場合、 養成所以外の選択肢と比較することが重要です。
完全マンツーマンで個別に指導を受けられる環境では、 一人ひとりの課題に集中した修正が可能です。
集団指導と比較して修正速度が上がりやすく、 数ヶ月で手応えを確認できる構造になっている場合、 養成所の1〜2年より短い期間で声の変化を確認できます。
また、養成所は特定の事務所への所属を前提とした育成であるのに対し、 個別指導の環境では特定の事務所に縛られない形で実力を積むことができます。
養成所という選択肢だけを見ている場合は、 他の選択肢と比較した上で判断することが必要です。
20代後半で養成所を選ぶ前に確認すべきこと
20代後半で声優養成所への応募を検討している場合、 応募前に確認すべきことがあります。
・応募できる養成所の年齢制限はどうなっているか ・養成所の指導形式は集団か個別か ・一人あたりに割かれる指導時間はどのくらいか ・費用と期間の総コストと、修了後の選択肢はどうなっているか ・養成所から事務所所属につながる実績の数はどのくらいか
これらを確認せずに応募を決めることは、 判断の根拠が揃っていない状態で大きなコストを投入することになります。
養成所への応募を決める前に、 これらの情報を集めることが最初のステップです。
養成所という選択肢を判断するための基準
20代後半で声優養成所を受けても意味があるかどうかは、 養成所という仕組みの構造を理解した上で判断する必要があります。
年齢制限をクリアできるか。 集団指導の中で修正速度を上げられる見通しがあるか。 費用と期間のコストに対して、次につながる現実的な見通しがあるか。
これらを確認した上で判断することが、 20代後半という年齢に求められます。
養成所を受けると決めた場合も受けないと決めた場合も、 判断の根拠を持っていることが重要です。
20代後半で声優を目指す人の環境選びと判断基準については、 20代後半から声優を目指す人が伸びるために必要な環境の条件で詳しく扱っています。

