私はかつて、シアーミュージックで声優コースの講師を務めていました。
在籍期間は3ヶ月です。辞めた理由は感情的なものではありません。
在籍中に確認した事実が、このスクールで講師を続ける理由にならなかったからです。
本記事では、私が3ヶ月間で確認したシアーミュージックの内部の実態について述べます。
感想ではなく、事実として確認できたことだけを書きます。
私がシアーミュージックをやめた理由
シアーミュージックを辞めた直接の理由は3つです。
体験レッスンに対する報酬が支払われていなかったこと。
対外的に謳われている300時間の研修制度が存在しなかったこと。
引き継ぎレポートが形骸化して実質機能していなかったこと。
これらは在籍中に私が直接確認した事実です。ひとつひとつについて順番に説明します。
体験レッスンの報酬が支払われていなかった
私が在籍していた期間、体験レッスンを2件実施しました。
しかし、その報酬は支払われませんでした。
2026年3月、シアー株式会社から遡及払いの通知が届きました。
「フリーランス法への対応として体験レッスンに関する報酬制度の見直しを行った」という内容で、振込額は1,142円でした。
フリーランス法が施行されたのは2024年11月1日です。
しかし遡及払いの対象期間は2024年11月1日から2026年2月28日。
法律が施行された後も1年4ヶ月にわたって、体験レッスンの報酬は支払われていませんでした。
体験レッスンを実施した講師への報酬が支払われない状態が、法律があっても継続していたわけです。
300時間研修は存在しなかった
シアーミュージックの公式サイトには「レッスン業務開始前には約300時間の研修を受けることになっています」と記載されています。
採用率5%という選考基準とともに、講師の質を示す根拠として掲げられている情報です。
複数の第三者メディアにも同様の記述が確認できます。なおこれらのメディアの多くには、入会につながる広告リンクが掲載されており、入会が成立すると報酬が発生する仕組みになっています。
しかし私が採用された際、300時間の研修は存在しませんでした。
研修を受けることなく講師業務を開始しています。
すべての講師に対して研修が実施されていないとは断言できません。しかし私が採用された時点では、公式サイトに記載されている研修制度は機能していませんでした。
引き継ぎレポートが機能していなかった
シアーミュージックには講師変更制度があります。
生徒と講師の相性が合わない場合、自由に変更できる仕組みです。
この制度に対応するため、私は担当生徒の情報を引き継ぎレポートとして記録していました。
しかし2ヶ月間、そのレポートに他の講師からの追記はありませんでした。
理由は、講師&校舎変更システムに問題にあるからです。
シアーミュージックでは講師だけでなく校舎も変更できます。講師どころか校舎までもが簡単に変更できてしまう環境では前の講師が何を教えていたかを把握することが実質不可能になります。
引き継ぎレポートが存在していても、それが読まれない構造になっていました。
3ヶ月で見えた致命的な問題点
体験レッスンの報酬未払い、研修制度の不在、引き継ぎの形骸化。
これらは個別の問題ではなくひとつの欠陥構造として繋がっています。
講師の待遇が適切に管理されていない。
対外的な情報と実態に乖離がある。
指導の継続性が担保されていない。
これらが同時に存在している環境では指導品質を安定させることが難しくなります。
個々の講師の能力や意識に依存する部分が大きくなってしまうからです。
3ヶ月という短い期間でしたが、こうした構造的な問題を確認するには十分な時間でした。
知名度と実態の乖離
シアーミュージックは知名度のある音楽教室です。
全国に校舎を持ち、生徒数も多い。その規模と知名度は事実です。
しかし知名度と内部の実態は別の話です。
対外的に謳っている研修制度が機能していない。法律が施行されても報酬の支払いが改善されない。引き継ぎの仕組みが形骸化している。これらは私が在籍中に確認した事実です。
知名度を判断材料にすることは自然なことです。
しかし知名度が高いスクールであっても、内部の運営実態が外から見えている情報と一致しているとは限りません。
声優を目指す人へ
私がこの記事を書く理由は、シアーミュージックへの感情的な批判ではありません。
声優を目指す人がスクールを選ぶとき、知名度や料金だけを判断材料にすることにはリスクがあることを伝えたいからです。
講師の研修制度が実際に機能しているかどうか。体験レッスンを実施する講師への報酬が適切に支払われているかどうか。指導の継続性がどう担保されているかどうか。
これらは入会前に確認できる場合があります。
スクール側がこうした質問に明確に答えられない場合、実態が不透明である可能性があります。
声優という職業は、最終的にマイクの前で評価されます。
どのような環境でレッスンを積み上げるかはその結果に直接影響します。知名度ではなく構造を確認することが、遠回りを減らすことにつながります。
声優スクールの内部構造と指導品質の関係について詳しく知りたい場合は、声優スクールの内部構造と指導品質の関係を見るを参照してください。


