シアーミュージックは講師の質を示す根拠として、採用率5%という選考基準と約300時間の研修制度を対外的に謳っています。
この2つの数字はスクールを選ぶ生徒にとって信頼性の根拠として機能しています。
「厳しい審査を通過した講師がさらに300時間の研修を受けている」という情報は、安心して入会できる根拠に見えます。
しかし私が講師として採用された際、実態はこの情報と異なっていました。
本記事では、採用率5%と300時間研修という2つの謳い文句の実態について見ていきます。
採用率5%という数字の意味
採用率5%という数字は、100人応募したうちの5人しか採用されないという意味です。
この数字が示すのは選考の厳しさです。厳しい選考を通過した講師だけが在籍しているという印象を与える情報として機能しています。
しかしこの数字をそのまま信頼することにはリスクがあります。なぜなら、採用率の算出方法は公開されていません。
応募者の質や選考基準がどのように設定されているかによって、採用率の意味は大きく変わります。
また採用率が低いことと採用された講師の指導品質が高いことは必ずしも一致しません。
選考基準が指導品質の高さを正確に反映しているかどうかは、別の問題です。
300時間研修という謳い文句
シアーミュージックの公式サイトには「レッスン業務開始前には約300時間の研修を受けることになっています」と記載されています。
300時間という数字は具体的で、研修制度の充実度を示すものとして機能しています。
1日8時間換算で約37日分に相当する時間です。これだけの研修を受けた講師が指導するという情報は生徒にとって安心材料になります。
この情報は公式サイトだけでなく、複数の第三者メディアにも掲載されています。
「採用後も300時間を超える研修を受ける」「300時間以上の研修を受講」といった記述がどこかしこでも確認できます。
これらのメディアの多くには入会につながる広告リンクが掲載されており、入会が成立すると報酬が発生する仕組みになっています。
実際の採用プロセス
私がシアーミュージックの講師採用試験を受けた際の選考内容について述べます。
選考は筆記や経歴の確認よりも、面接と模擬レッスンに時間が割かれていました。
コミュニケーション能力とレッスン技術を重視した内容でした。
複数のステップを経る選考でしたが、採用率5%という数字がどのように算出されているかは確認できませんでした。
選考基準の詳細についても採用プロセスの中で説明はありませんでした。
採用が決まった後、研修についての案内はありませんでした。
約300時間の研修を受けてからレッスン業務を開始するという手順は、私の採用プロセスには存在しませんでした。
研修は存在しなかった
採用後、私は研修を受けることなく声優コースの講師業務を開始しました。
公式サイトに記載されている「レッスン業務開始前に約300時間の研修を受ける」という内容は、私が経験した採用プロセスとは一致していませんでした。
すべての講師に対して研修が実施されていないとは断言できません。
採用時期や担当コースによって異なる可能性もあります。しかし私が採用された時点では、公式サイトに記載されている研修制度は機能していませんでした。
対外的に謳われている研修制度と実際の運用に乖離があったことは、私自身の体験として確認できた事実です。
第三者メディアの記述との乖離
複数の第三者メディアがシアーミュージックの300時間研修を事実として紹介しています。
これらのメディアが独自に実態を確認したうえで記述しているかどうかは不明です。公式サイトの情報をもとに記述している場合、実態との乖離が生じていても気づきにくい状況になります。
生徒がスクールを選ぶ際に複数のメディアで同じ情報を目にすると、その情報の信頼性が高まったように感じます。
しかし複数のメディアが同じ情報源をもとに記述している場合、情報の数が多くても実態との乖離は解消されません。
スクールを選ぶときに参照するメディアの情報がどこを情報源にしているかを意識することは重要です。
数字や制度を判断材料にするリスク
採用率5%、300時間研修という2つの数字はどちらも具体的で信頼性が高そうに見えます。
しかし数字が具体的であることと、その数字が実態を正確に反映していることは別の問題です。
採用率の算出方法が不明確であればその数字の意味は確認できません。研修制度が記載されていても、実際に機能しているかどうかは別の問題なわけです。
スクールが対外的に示す数字や制度を判断材料にする場合、その情報がどこから来ているかと実態がどうなっているかを分けて考える必要があります。
数字や制度の記載だけを根拠にスクールを選ぶと実態との乖離に後から気づくことになります。
講師の質を見極めるために確認すべきこと
スクールが謳っている採用基準や研修制度が実態と一致しているかどうかを、入会前に確認することは難しいです。
しかし確認できることはあります。
担当講師が声優の現場経験を持っているかどうかを問い合わせることはできます。研修制度の具体的な内容と実施状況についてスクール側に確認することもできます。こうした質問に明確に答えられないスクールは、実態が不透明である可能性があります。
また体験レッスンを受ける際に担当講師の専門性を直接確認することも有効です。
講師の経歴や現場経験について質問することで、採用基準や研修制度の実態をある程度把握できます。
数字や制度の記載ではなく、実際のレッスン内容と講師の専門性を直接確認する視点を持つことがスクール選びの精度を上げることにつながります。
講師の採用基準と研修制度から声優スクールを選ぶ基準について詳しく知りたい場合は、講師の採用基準と研修制度から声優スクールを選ぶ基準を見るを参照してください。


