オンライン特化型の声優スクール「メイクリ」では ボイトレや声優スクールの無料体験レッスンを受けた後に 「入会しなかったけど何か問題ありますか」という質問を受けることがあります。
無料体験レッスンを受けて入会しないことは 受ける側にとってリスクがないように感じられます。 タダで試して合わなければ断ればいいという判断は自然なものです。
ですが無料体験レッスンを受けて入会しなかった場合に 受ける側が気づいていないものが残ることがあります。
このページでは 無料体験レッスンで入会しなかった場合に何が残るのかを見ていきます。
スクール側に残る記録
無料体験レッスンを受けると スクール側に受講者の情報が記録されます。
講師側には受講者の情報を記録するレポートの仕組みがあります。 受講姿勢、目標の明確さ、入会意欲の有無が記録され スクール側に共有されます。
受講者からは見えない評価が 体験レッスンの時間中にすでに始まっています。
タダだから気軽にという感覚で臨んだ場合でも スクール側からの評価は同じように進んでいます。
入会しなかった場合でもこの記録は残ります。 体験レッスンは受ける側が一方的に試す場ではなく スクール側も受講者を評価している場です。
ブラックリストに近い仕組みの存在
ナユタスをはじめとする複数の大手スクールでは 無料体験のみを目的とした受講者のリストが存在します。
入会する意思がないまま タダであることを目的として複数のスクールを渡り歩く層が一定数存在します。 スクール側はこうした層への対策として受講者を記録する仕組みを持っています。
このリストに記録された人物は 以降の予約を断られるケースがあります。
本人は無料目的だとバレていないと思っているかもしれません。 ですが講師側から見ると 入会を真剣に検討している人とそうでない人の区別は 体験レッスンの態度や受け答えから判断しやすい状態にあります。
目標を聞いても答えられない、 レッスン中の姿勢が雑、 スタッフへの対応が横柄。 こうした様子はレポートに記録されます。
複数のスクールを渡り歩いた記録が積み重なると 以降の体験レッスンの申し込み自体を断られる可能性があります。
シアーミュージックに対策がない理由
シアーミュージックはこうした層への対策を施していないため 入会率が他社と比較して低い水準になっています。 体験レッスンの入会率は10%を下回ります。
ナユタスは申し込み時点で 入会前提での体験レッスンであることを事前に伝える対策を取っています。 この事前告知によって入会意欲のない層をある程度弾く効果があります。
シアーミュージックにはこの仕組みがないため 入会意欲のない受講者が体験レッスンに参加しやすい環境になっています。
入会率が低い環境では 体験レッスンを担当する講師にとって 報酬が発生しない回数が増えることになります。
シアーミュージックの体験レッスンは成功報酬型のため 入会に繋がらなければ講師への報酬はゼロです。 入会率が10%を下回る状況では 10回担当して9回は報酬がゼロという計算になります。
講師側に残る影響
入会しなかった場合に残るものは 受講者側だけの話ではありません。
体験レッスンを担当した講師にとって 入会に繋がらなかった場合は報酬がゼロです。 30分の時間と労力を使っても収入が発生しません。
通常レッスンでも報酬は1コマ45分あたり800円という水準です。 ナユタスは1コマ50分で1,500円 MYUは1コマ60分で1,300円です。 シアーミュージックはレッスン時間も報酬も最も低い水準にあります。
体験レッスンの入会率が10%を下回る環境で タダ働きの回数が積み重なることは 講師が体験レッスンに臨む姿勢に影響を与えます。
これは講師個人の意識の問題ではなく 報酬構造がそうなっているための結果です。
入会しなかった側に残る判断の問題
体験レッスンを受けて入会しなかった場合 受ける側に残るのは「合わなかった」という感想だけとは限りません。
体験レッスンで得た情報が 入会後のレッスンの実態を正確に反映していたかどうかは 別の問題です。
体験を担当した講師が入会後の担当になるとは限りません。 体験で感じた雰囲気が継続的なレッスンの質と一致していたかどうかも 体験レッスンの時間内では確認できません。
「合わなかった」という判断が 体験レッスンという限られた情報をもとにした判断である場合 その判断が正確かどうかは確認が難しい状態です。
体験レッスンで確認できることと 入会後のレッスンが成立する条件として必要なことは 別の問題として切り離して考える必要があります。
無料体験レッスンを渡り歩くことのリスク
複数のスクールの無料体験レッスンを渡り歩くことには 時間とエネルギーのコストが発生します。
各スクールの体験レッスンは30分前後です。 その大部分はヒアリングで終わります。 複数のスクールを渡り歩いても 声優レッスンやボイトレとして本来必要な体験は積み重なりません。
渡り歩いた時間は 実際の練習や学習に使えた時間です。
加えてスクール側のリストに記録されるリスクがあります。 複数のスクールを渡り歩いた記録が積み重なると 以降の体験レッスンの申し込みを断られる可能性があります。
無料体験レッスンを渡り歩くことで得られる判断材料は 体験レッスンの設計上限られた範囲にとどまります。 渡り歩いた回数が増えても 入会後のレッスンが成立するかどうかの判断精度は上がりにくい状態です。
無料体験レッスンで残るものを知った上で判断する
ここまで見てきた内容を整理します。
スクール側にはレポートとして記録が残ります。 複数のスクールを渡り歩いた場合はリストに記録される可能性があります。 担当した講師には報酬ゼロというコストが残ります。 受ける側には限られた情報をもとにした判断が残ります。
無料体験レッスンを受けて入会しないことに 法的な問題は何もありません。
ただし無料体験レッスンという仕組みの中で 何が起きているかを知った上で判断するかどうかは その後の選択の質に影響します。
体験レッスンという入口の設計と 入会後のレッスンが成立する条件の構造については 大手マンツーマンスクールの無料体験レッスンが成立しない構造で扱っています。

