オンライン特化型の声優スクール・メイクリでは、 「授業や会議で話し続けると声が持たない」という相談を受けることがあります。
声が持たない、疲れやすいという状態は 喉声の状態が関係していることが多いです。 長時間の発声でどのようなことが起きるのかを理解することで、 発声の構造を見直すきっかけになります。
このページでは、 喉声の状態で長時間発声を続けると起きることを見ていきます。
喉声では一度の発声にかかる負担が大きい
喉声の状態では 一度の発声にかかる喉への負担が 適切な発声より大きくなっています。
適切な発声では声が共鳴腔を通じて分散・増幅されるため、 喉だけに大きな負担がかかることはありません。 発声のエネルギーが複数の空間を通じて 効率的に使われます。
喉声の状態では共鳴腔が機能しないため、 発声のエネルギーが喉周辺に集中します。 一度一度の発声で喉が受ける負担は小さくても、 長時間話し続けることでその負担が積み重なっていきます。
一度の負担の差が 長時間の発声では大きな差として現れます。
声帯の炎症リスクが高まる
喉声の状態で長時間発声を続けると、 声帯の炎症リスクが高まります。
声帯は発声のたびに高速で振動しています。 適切な発声では声帯への圧力が均一にかかり、 振動が安定しています。
喉声の状態では声帯への圧力が偏り、 振動が不均一になっています。 不均一な振動が長時間続くと 声帯の粘膜に摩擦が生じやすくなります。
摩擦が蓄積すると声帯が腫れ、 声がかすれる、声が出にくくなるといった 炎症のサインが現れます。
長時間の授業、会議、接客といった 発話量が多い職業の人が 喉声の状態で働き続けることは 声帯へのリスクを継続的に高める状態です。
声質が時間とともに変化する
喉声の状態で長時間話し続けると、 声質が時間とともに変化していきます。
発声開始直後は声が出ていても、 30分、1時間と経過するにつれて 声がかすれてくる、声の芯がなくなる、 高音が出にくくなるといった変化が起きます。
この変化は喉周辺の筋肉の疲労と 声帯への負担の蓄積によって起きます。
一日の終わりには声が枯れている、 夕方になると声が出にくくなるといった状態は 喉声による長時間発声の影響として現れやすいです。
声の仕事を目指している場合、 収録の後半で声が変化することは 致命的な問題になる可能性があります。
喉の乾燥が加速する
長時間の喉声発声では喉の乾燥が加速します。
喉声の状態では息の流れが不均一になるため、 乾燥した空気が喉に当たりやすい状態になっています。 発声時間が長くなるほど この乾燥の影響が蓄積されます。
喉が乾燥した状態では声帯が振動しにくくなり、 声が出にくくなります。 また乾燥した粘膜は傷つきやすく、 痛みや炎症が起きやすい状態になります。
水を飲んで対処しても 発声の構造が変わらなければ乾燥は繰り返されます。 乾燥への対処として水分補給を繰り返すことが 当然になっている場合、 発声の構造を見直す必要があります。
疲労が蓄積すると翌日に影響が出る
喉声の状態で長時間発声した後の疲労は 翌日に持ち越されることがあります。
当日の発声後に喉の痛みや違和感がある場合、 翌朝に声が出にくい、 声の調子が悪いといった状態として現れることがあります。
この翌日への影響が繰り返されると、 慢性的な喉の不調として定着していくリスクがあります。 慢性的な不調は声帯や喉周辺の組織に 継続的なダメージを与える状態です。
「毎朝声の調子が悪い」「声の調子が安定しない」という状態が 日常化している場合、 喉声による蓄積的なダメージが関係している可能性があります。
長時間発声に耐えられる声の条件
適切な発声では長時間話し続けても 喉が極端に疲れることはほとんどありません。
声優やアナウンサーなど声の仕事をする人が 長時間の収録や放送をこなせるのは、 発声の構造が整っているためです。 喉だけに頼らず共鳴腔を使った発声では 喉への負担が分散されます。
長時間の発声に耐えられる声を作るためには 喉声の状態を解消することが前提として必要です。 持久力の問題として捉えるのではなく、 発声の構造の問題として取り組む必要があります。
喉声が解消され長時間の発声に耐えられる声の条件については、 長時間発声に耐えられる声の発声構造で詳しく扱っています。

