オンライン特化型の声優スクール・メイクリでは、 「少し話すと声がかすれてくる」という相談を受けることがあります。
声のかすれは喉声の状態と 深く関係していることが多いです。 なぜかすれが起きるのかを構造として理解することで、 発声の状態を見直すきっかけになります。
このページでは、 喉声と声のかすれの関係を見ていきます。
声のかすれとは何か
声のかすれとは、 声に雑音が混じったり声が途切れたりする状態です。
通常の発声では声帯が均一に振動し、 クリアな音が作られます。 声帯の振動が何らかの原因で乱れると、 クリアな振動音に加えて雑音が混じります。 この状態がかすれとして聞こえます。
声のかすれには一時的なものと 慢性的なものがあります。 一時的なかすれは体調や疲労によって起きることがありますが、 慢性的にかすれやすい状態は 発声の構造に問題があるケースが多いです。
喉声の状態は慢性的なかすれやすさと 関係していることが多いです。
喉声が声帯の振動を乱す仕組み
喉声の状態では声帯の振動が乱れやすくなります。
喉に余計な力が入ると声帯への圧力が偏ります。 声帯の左右に均等に圧力がかかっていない状態では、 振動のパターンが不均一になります。 不均一な振動は声帯の左右が 別々のタイミングで動くような状態を生み、 これがかすれの原因になります。
また首の力みによって喉頭が不安定になると、 声帯の位置が安定しません。 声帯の位置が安定しない状態では 振動の継続が難しく、 声が途切れやすくなります。
喉声の状態が続くほど 声帯の振動の乱れが起きやすい条件が維持されます。
発声し続けるほどかすれが起きやすくなる理由
喉声の状態では 発声時間が長くなるほどかすれが起きやすくなります。
一度の発声での声帯への過剰な負担は小さくても、 発声を繰り返すことで負担が蓄積されます。 声帯の粘膜が摩擦によって腫れ始めると、 振動がさらに不均一になり かすれが起きやすくなります。
この状態は話し始めは声が出ていても、 30分、1時間と経過するにつれて かすれが増してくるというパターンとして現れます。
「朝は声が出るのに夕方になるとかすれる」 「仕事中に声が持たない」という状態は 喉声による声帯の疲労の蓄積として起きているケースが多いです。
息漏れがかすれとして聞こえる
喉声の状態には 声帯の締めすぎとは反対に 息漏れが多い状態のパターンもあります。
軟口蓋の下がりや舌の後退によって 声の通り道が確保できない状態で 息だけが多く流れると、 声帯が完全に閉じられないまま振動します。
この不完全な閉じ方では 息が声帯の隙間から漏れながら振動が起き、 かすれた声として聞こえます。
息っぽいかすれ、スカスカした声は この息漏れのパターンによるものです。 声帯の締めすぎによるかすれとは 原因が異なりますが、 どちらも喉声の状態が関係しています。
かすれを「体調のせい」で片付けるリスク
声のかすれを「今日は体調が悪い」 「昨日話しすぎた」と片付けているケースがあります。
体調や使いすぎによるかすれは 休息によって回復します。 ですが喉声による構造的な問題が原因のかすれは、 休息しても根本的には変わりません。
同じパターンのかすれが繰り返される場合、 体調の問題ではなく発声の構造の問題として 捉え直す必要があります。
特定の場面になると必ずかすれる、 一定時間話すと必ずかすれるという状態は 喉声による構造的な問題が関係している可能性があります。
声のかすれを放置するリスク
声のかすれを放置して発声を続けることは 声帯へのリスクを高めます。
かすれている状態は声帯が正常に振動できていない状態であり、 この状態での発声は声帯への摩擦を増やします。
継続的な摩擦は声帯結節や声帯ポリープといった 器質的な問題につながるリスクがあります。 一度声帯に器質的な問題が起きると 回復に時間がかかるだけでなく、 声の仕事への影響も大きくなります。
声がかすれやすい状態が続いている場合、 発声の構造として喉声を見直すことが 声帯を守るためにも必要です。
かすれやすい声から抜け出すための方向性
声のかすれが慢性的に起きている場合、 喉声の状態を解消することが先に必要です。
声帯への圧力の偏りを生んでいる首の力み、 息漏れを起こしている軟口蓋の問題、 咽頭腔を狭めている舌の状態。
これらの原因を発声の構造として整えることで、 声帯が均一に振動できる条件が作られます。 声帯が均一に振動する状態では かすれが起きにくくなります。
喉声が解消された発声でかすれが起きにくくなる条件については、 声帯が安定して振動する発声の構造で詳しく扱っています。

