オンライン特化型の声優スクール・メイクリでは、 「喉声は直せるものですか」という質問を受けることがあります。
喉声が改善できるかどうかは 一律に答えられるものではありません。 発声の構造として見たとき、 改善の可能性と条件を整理することができます。
このページでは、 喉声は改善できるのかを構造から見ていきます。
喉声は発声の構造の問題である
喉声は声質や才能の問題ではなく、 発声の構造の問題です。
軟口蓋の下がり、舌や口内の筋肉の弱さ、 首への力みという原因によって 発声の構造に問題が生じている状態です。
構造の問題であるということは、 構造を変えることで改善の可能性があるということでもあります。 生まれつきの声質や身体的な限界の問題ではないため、 喉声の改善は原理的には可能です。
ただしこれは「誰でも必ず改善できる」という意味ではありません。 改善には条件があります。
改善に必要な条件
喉声が改善されるためには いくつかの条件が必要です。
まず原因の特定です。 軟口蓋の問題なのか、舌の問題なのか、 首の力みの問題なのか、 複数が重なっているのかを 特定することが先に必要です。 原因を特定せずに対処しても 改善の方向性が定まりません。
次に発声の状態を外部から確認できる環境です。 感覚を頼りにした練習では 喉声の状態が変わっているかどうかの 確認ができません。 外部から声の状態を評価しながら 発声の調整を重ねていくことが必要です。
さらに継続的な取り組みです。 喉声は長年の発声習慣として定着しているため、 一度の取り組みで解消されるものではありません。 発声パターンを変えていくためには 繰り返しの確認と修正が必要です。
改善が難しくなるケース
喉声の改善が難しくなるケースがあります。
原因が複数重なっている場合、 ひとつだけに対処しても改善が限定的になります。 複数の原因を同時に見ながら 優先順位をつけて対処する必要があります。
固定化が長期にわたっている場合、 発声パターンを変えるために 必要な時間が長くなります。 短期間での改善を期待して取り組みを始めると 結果が見えにくい期間に続けられなくなることがあります。
独学での改善を試みる場合、 感覚と実音のズレが埋まらないまま 方向性がずれた練習を続けるリスクがあります。 外部からの確認なしに喉声を改善しようとすることは 構造的に難しい状態にあります。
改善の方向性として間違いやすいもの
喉声の改善として取り組まれることがありますが、 方向性として間違いやすいものがあります。
声量の練習は喉への負担を増やすだけになることがあります。 発音練習だけでは口腔内の根本的な筋肉の状態は変わりません。 力を抜こうとする意識が新たな緊張を生むことがあります。 腹式呼吸だけの練習では喉声の原因に対処できません。
これらは喉声の症状に対処しようとしているものであり、 原因に対処しているものではありません。 症状への対処は原因が残ったままでは 根本的な改善にならないことが多いです。
改善の可能性を判断するための視点
喉声が改善できるかどうかを判断するためには 以下の視点が必要です。
原因が特定できているかどうか。 発声の状態を外部から確認できる環境があるかどうか。 継続的な取り組みができる条件があるかどうか。
これらの条件が揃っている状態であれば、 喉声の改善に取り組む方向性は成立します。 条件が揃っていない状態では 方向性のずれた取り組みを続けるリスクがあります。
改善は発声の構造を変えることで起きる
喉声の改善は 声を意識的に変えようとすることではなく、 発声の構造を変えることで起きます。
軟口蓋が適切に上がる状態、 舌や口内の筋肉が機能する状態、 首の力みが取れた状態。
これらが整ったとき、 喉声の状態は結果として変化します。 表面的な声の出し方を変えようとするのではなく、 発声の構造として取り組むことが必要です。
喉声が解消された先に成立する響く声の条件については、 発声の構造が変わると声はどう変わるのかで詳しく扱っています。

