オンライン特化型の声優スクール・メイクリでは、 「練習しているのに喉声が直らない」という相談を受けることがあります。
喉声が直らない場合、 練習量の問題ではなく 練習の方向性に問題があるケースがほとんどです。 喉声が直らない人に共通する練習の問題を理解することで、 何が間違っているのかが見えてきます。
このページでは、 喉声が直らない人に共通する練習の問題を見ていきます。
症状に対処しようとしている
喉声が直らない人に最も多く見られる問題は、 症状に対処しようとしていることです。
「声がこもる」という症状に対して 口をより大きく開けようとする。 「声が詰まる」という症状に対して もっと力を抜こうとする。 「声が通らない」という症状に対して もっと大きな声を出そうとする。
これらはすべて症状への対処であり、 原因への対処ではありません。
喉声の原因は軟口蓋・舌・首という 発声の構造の問題にあります。 症状だけに対処しても 原因が残ったままでは 喉声の状態は根本的に変わりません。
感覚を頼りに練習している
喉声が直らない人に共通するもうひとつの問題は、 感覚を頼りに練習していることです。
「喉に力が入っている感じがするから抜く」 「声が響いている感じがするから良い」 「楽に声が出ている感じがするから正しい」
こうした感覚ベースの判断は 喉声の改善においては信頼性が低いです。
喉声の状態では感覚と実音にズレがあります。 喉への力みに慣れているため、 力が入っていても力が入っていないと感じます。 響いているつもりでも録音するとこもっています。
感覚を頼りにした練習では ズレが埋まらないまま方向性がずれた練習を 続けることになります。
発声量を増やすことで解決しようとしている
練習量を増やせば喉声が直ると考えて 発声量を増やす人がいます。
ですが喉声の状態のまま発声量を増やすと、 喉への負担が蓄積されるだけになります。 喉声の原因が解消されていない状態で 発声を繰り返しても、 喉声のパターンが身体にさらに固定化されていきます。
練習量と改善は比例しません。 方向性が正しい練習を積み重ねることが必要であり、 方向性がずれた練習をいくら重ねても 喉声は直りません。
むしろ喉への負担が蓄積することで 声がかすれやすくなる、 高音が出にくくなるといった 悪化として現れることがあります。
一点だけを変えようとしている
喉声の改善で陥りやすい問題のひとつに、 一点だけを変えようとすることがあります。
「軟口蓋を意識して上げる」 「舌を前に出して発声する」 「首の力を抜く」
こうした一点への集中は 他の部分への注意が失われることで 発声全体のバランスが崩れるリスクがあります。
また一点を変えても 他の原因が残っていれば 喉声の状態は大きく変わりません。 軟口蓋を上げても 舌が後退していれば咽頭腔は狭いままです。 首の力を抜こうとしても 軟口蓋が下がっていれば喉への負担は続きます。
喉声の改善は発声の構造全体を見ながら 進める必要があります。
外部からの確認なしに進めている
喉声が直らない人に共通する問題のひとつが、 外部からの確認なしに練習を進めていることです。
発声の状態が変わっているかどうかは 自分では正確に判断できません。 感覚と実音のズレがある状態では、 変わっているつもりで変わっていない、 あるいは間違った方向に変えているということが 起きやすくなります。
外部から声の状態を評価してもらいながら 発声の調整を重ねていくことが 喉声の改善には必要です。 外部からの確認なしに独学で進めることは 構造的に限界があります。
短期間での改善を期待している
喉声が直らない理由のひとつに、 短期間での改善を期待して取り組みを止めてしまうことがあります。
喉声は長年の発声習慣として定着しているため、 発声のパターンを変えるには時間がかかります。 数回の練習で変化が出ないことを 「効果がない」と判断して 別の方法を試すというパターンを繰り返すと、 どの方法でも改善が起きないまま時間が経ちます。
喉声の改善は継続的な取り組みが必要です。 方向性が正しい取り組みを続けることで 少しずつ発声のパターンが変わっていきます。
喉声が解消された先に成立する響く声の条件については、 喉声が直るための発声の構造変化で詳しく扱っています。

