オンライン特化型の声優スクール・メイクリでは、 「高い声が出ない」「低い声が出にくい」という相談を受けることがあります。
音域の狭さは喉声と関係していることが多く、 発声の構造として理解することで なぜそうなるのかが見えてきます。
このページでは、 喉声と声域の関係を見ていきます。
声域とは何か
声域とは、 その人が出せる音の高さの範囲です。
声域は声帯の長さや厚さという 身体的な条件に基づいていますが、 実際に出せる音域は 発声の状態によって大きく変化します。
身体的な条件として持っている潜在的な音域と、 実際に安定して出せる音域は 一致しないことが多いです。
喉声の状態では この潜在的な音域が十分に引き出されにくくなります。
喉声が高音を出にくくする理由
高音を出すためには 声帯が薄く引き伸ばされる必要があります。
声帯を引き伸ばす動きは 喉頭周辺の筋肉によって行われます。 このとき喉頭が適切な位置に保たれている必要があります。
喉声の状態では首の力みによって 喉頭がすでに引き上げられていることがあります。 喉頭が力みによって上がっている状態では 声帯を伸ばすための動きが制限されます。
高音を出そうとするたびに 喉がさらに締まる感覚がある人は この状態が起きている可能性があります。 高音を出そうと力むほど 喉頭がさらに引き上げられ 音域が狭くなる方向に働きます。
喉声が低音を出にくくする理由
低音を出すためには 声帯が厚く短い状態になる必要があります。
声帯が厚く振動するためには 喉頭が安定した位置にあることが必要です。 また喉周辺の筋肉がリラックスしていることで 声帯がゆったりと振動できる状態になります。
喉声の状態では喉の筋肉が緊張しています。 筋肉が緊張しているときに 声帯をゆったりとした振動パターンに誘導することは難しいです。
低い声を出そうとして 無理に声を落とすと 喉への圧力がさらに増し、 声がかすれたり途切れたりします。 喉声のまま低音を練習しても 安定した低音は出にくい状態が続きます。
音域の切り替えで声が裏返る理由
喉声の状態では 音域の切り替えで声が裏返りやすくなります。
声は音域によって声帯の振動パターンが切り替わります。 この切り替えがスムーズに行われるためには 喉周辺の筋肉が柔軟に動ける状態が必要です。
喉声の状態では喉の筋肉が緊張しているため、 この切り替えがスムーズに行えません。 特定の音域で突然声が裏返る、 声が途切れるといった現象は 喉声による筋肉の緊張が 切り替えを妨げていることが多いです。
声域を広げようとする練習が逆効果になるケース
音域を広げようとして 無理に高音や低音を練習する人がいます。
ですが喉声の状態のままで音域の練習をすると、 喉への負担が増すだけになることがあります。
高音を出そうと力むほど喉が締まり、 低音を出そうと声を落とすほど喉が疲れる。 この状態で練習量を増やしても 音域は広がらず喉の疲れだけが蓄積されます。
声域の改善は 喉声の解消を通じて結果として得られるものです。 音域だけを目的にした練習は 順序として逆になっている場合があります。
喉声と声域の関係を構造として理解する
音域が狭い、高音が出ない、低音が安定しない。 これらの問題の背景に 喉声の状態がある場合は多いです。
声帯そのものの限界として諦める前に、 発声の構造として喉声に対処することが先に必要です。
喉声が解消された状態で どのような声域が成立するかは 発声の構造全体が整った先でないと判断できません。
響く声と声域の関係が成立する条件については、 声域と発声の構造が整う条件で詳しく扱っています。

