オンライン特化型の声優スクール・メイクリでは、 声優を目指したい人から「声優養成所の体験入所を受けてから入所を決めようと思っている」という相談を受けることがあります。
体験入所を受ければ雰囲気や内容が分かる。 実際に体験してから判断すれば間違いない。 体験入所で良いと感じたなら入所していいはずだ。
こうした前提で体験入所を判断の基準にしているケースがあります。
体験入所を受けることは、 養成所の一面を確認するためには有効です。 ですが体験入所だけでは判断できないことがあります。
特に費用対効果という観点は、 体験入所からは確認できない情報です。
このページでは、 声優養成所の体験入所でコスパを判断できない理由を整理します。
体験入所は通常のレッスンとは異なる
体験入所でコスパを判断できない最初の理由は、 体験入所が通常のレッスンとは異なる形で設計されているという点です。
体験入所は、 入所を検討している人に向けて設計されています。
養成所の雰囲気を伝える。 講師や所属声優の印象を良くする。 入所への動機を高める。
こうした目的に沿って組まれています。
通常のレッスンで起きていることを正確に反映しているわけではありません。
体験入所で受ける指導の質と量は、 入所後に日常的に受ける指導の質と量とは異なることがあります。
体験入所で「良い」と感じた内容が、 入所後も継続して提供されるとは限りません。
体験入所では実質指導時間が確認できない
体験入所でコスパを判断できない理由として、 体験入所では実質指導時間が確認できないという点があります。
費用対効果を判断するためには、 費用に対して受け取る指導の量を確認する必要があります。
実質指導時間を確認するためには、 通常のレッスンの形式を把握することが必要です。
クラスの人数は何人か。 1コマのレッスン時間は何分か。 月に何回レッスンがあるか。
これらの情報から実質指導時間を計算することができます。
体験入所では、 通常より少人数で行われることがあります。 体験者に多く時間を割くことがあります。
体験入所での指導時間が、 入所後の通常レッスンでの指導時間を反映していないことがあります。
体験入所を受けるだけでは、 実質指導時間を正確に把握することができません。
「事務所の空気感」への感動が判断を歪める
体験入所でコスパを判断できない理由のひとつは、 事務所の空気感への感動が判断を歪めるという点です。
声優事務所が直接運営する養成所の体験入所では、 所属声優と同じ空間にいる体験ができることがあります。
プロの声優が近くにいる。 事務所の建物の中に入れる。 業界の雰囲気を感じられる。
こうした体験は、 「ここなら声優になれるかもしれない」という感覚を強く生みます。
この感覚は、 費用対効果とは別の情報です。
空気感への感動が強いほど、 費用対効果という観点を確認する前に入所を決めやすくなります。
体験入所での感動と、 費用対効果の確認は別の行為です。
体験入所で確認できることと確認できないこと
体験入所で確認できることと、 確認できないことを整理しておくことが必要です。
体験入所で確認できることは、 養成所の雰囲気、 講師や所属声優の人柄、 レッスンの進め方の一面、 他の入所者の様子。
こうした定性的な情報は体験入所から得られます。
体験入所で確認できないことは、 実質的な指導時間、 月謝の時間単価、 入所後の指導密度の実態、 所属に上がれる人数の実態、 在籍期間の平均と費用の総額。
こうした定量的な情報と、 入所後の実態に関わる情報は体験入所からは確認できません。
費用対効果を判断するために必要な情報の多くは、 体験入所では確認できないものです。
体験入所の後に確認すべきこと
体験入所を受けた後、 入所を判断する前に確認すべきことがあります。
通常のクラスの人数は何人か。 1コマのレッスン時間は何分か。 月のレッスン回数はいくつか。 1年間の費用の総額はいくらか。
これらの情報から実質指導時間と時間単価を計算することができます。
声優養成所の場合、 10人クラスで2.5時間のレッスンでは一人あたり15分になります。 1年間月4回で実質指導時間は約12時間になります。 費用80万円を12時間で割ると時間単価は約6万6千円になります。
体験入所で受けた印象と、 この数字を並べた上で判断することが必要です。
また所属に上がれる人数の実態や、 在籍期間の目安についても確認することが入所前の判断材料になります。
体験入所は判断の入口にすぎない
ここまで見てきた内容に共通しているのは、 声優養成所の体験入所でコスパを判断できない理由が、 体験入所という形式が持つ目的と限界から来ているという点です。
体験入所は通常のレッスンとは異なる形で設計されている。 体験入所では実質指導時間が確認できない。 事務所の空気感への感動が判断を歪める。 確認できることと確認できないことがある。 体験入所の後に数字を確認することが必要。
体験入所は、 養成所を知るための入口としては機能します。 ですが費用対効果を判断するための情報としては不十分です。
体験入所の印象に加えて数字を確認することが、 入所判断の精度を上げるために必要です。
体験入所の感動と声優になれない現実のギャップについては、 声優養成所の体験入所では分からない現実で扱っています。

