声優になれない人が多いのは何故なのか

声優になれない人はとても多い。
これは失敗談でも珍しい例でもありません。

毎年たくさんの人が声優を目指しますが、そのほとんどが夢折れて消えていきます。
「努力が足りなかったから」「才能がなかったから」
そう言われがちですが、それだけで説明できる話ではありません。

声優業界には最初から不利な場所や、時間とお金だけを失いやすい道がいくつもあります。
さらに声優という仕事そのものが、想像以上に厳しい条件を求められます。

この記事では、
なぜ声優になれない人が多いのか
その理由をできるだけ分かりやすく並べていきます。

ここには安心できる答えも、成功の方法も書いていません。
ですが声優を目指す前に知らないままでいると、あとから取り返しがつかなくなる話だけは載せています。

声優を目指そうとした時点で、ほぼ失敗が決まってしまう

声優になれない人が多い理由の一つは、
スタート地点の選び方ですでに詰んでいるパターンが多いことです。

声優を目指そうと思った人が最初に調べるのは、
「声優学校」・「声優養成所」・「演技劇団」といった【入口】でしょう。

ところがこの入口には
長期間通うことを前提にした場所が非常に多くあります。

2年制の声優学校。
200万円近くの高額な学費。
卒業後は養成所へ進学。
さらにその先で事務所オーディション。

この流れに入った時点で、
時間とお金を使うこと自体が目的になってしまう人が出てきます。

しかも声優学校を卒業したからといって、
声優事務所に所属できる保証はありません。
正直に申し上げて、体感としては数%に届くかどうかという世界です。
多くの場合、卒業後も「次の段階」が用意されているだけです。
その次の段階とは、「声優養成所」です。

しかし声優養成所も同じです。
高額な入所金や月額費用を払い、1年通った結果。
所属オーディションで不合格となってそのまま終わる人がほとんどです。

劇団や団体の場合は
ランク制度やマネジメント料といった形で、
何年も在籍し続けるサンクコスト構造が作られていることが多いです。

問題なのはこれらが違法でも、詐欺でもないという点です。

声優業界には資格や免許がありません。
誰でも「声優を育てます」と名乗ることができ、
その内容を外から判断するのは非常に難しい。

夢を追っている人ほど
「ここまで来たのだから……!」
「もう少し続ければ……!」
そう考えてしまい、引き返す判断が遅れます。

こうして声優として仕事をする以前に、
時間だけが過ぎていく状態に入ってしまう人が増えていきます。

これは才能の問題ではありません。
声優を目指した人の多くが、
最初の選択で既に出口の無い場所に立たされているというだけの話です。

声優学校・養成所・劇団が減らない理由

声優になれない人が多いにもかかわらず、
声優学校や養成所、劇団は次々とその数を増やしています。

この業界では声優として仕事を得られる人が少なかろうとも、
運営が続く形が最初から出来上がっています。

まず声優学校です。
多くは2年制で、学費は数百万円規模になります。

2年間で声優になれなくとも「卒業後の選択肢」として、
声優養成所が提示されることがほとんどです。

ここで重要なのは、
2年学んだ結果が出なかったこと自体が、失敗として扱われない
という点です。

「まだ実力が足りない」
「次の段階に進めば可能性がある」

そう説明されるため区切りがつきません。

声優養成所も同じです。
入所金と月額費用を払い、一定期間レッスンを受け。
最後にオーディションが行われます。

合格できなければ、「今回は見送り」という形で終わります。

しかしその時点でどこが足りなかったのか
あとどれくらいで届くのか、明確に示されることは多くありません。

そのため、また別の養成所や別の団体に進む人が出てきます。

劇団の場合は、
ランクや序列によって扱いが変わることがあります。

上の立場に行けば仕事が増える。
そう説明されながら一定の費用を支払い続ける形になります。

ここで共通しているのは、
「ここまで来れば声優として成立する」という線が最初から引かれていない
という点です。

声優業界には国家資格も免許制度もありません。

どの段階でも「まだ可能性がある」と言うことができます。

この曖昧さが夢を追う人にとっては逃げ場になります。
やめる理由が見つからず時間だけが積み重なっていく。

声優学校や養成所、劇団が減らないのは、
声優になれない人が多いからではありません。

声優になれなくても、お金と時間が流れ続ける形になっている
この一点に理由があります。

これは声優業界の暗黙のルールです。
声優を目指した多くの人がこの流れの中で足を止めています。

声優という仕事は、想像よりずっと要求が多い

声優になれない人が多い理由は入口の話だけでは終わりません。

そもそも声優という仕事そのものが、想像以上に厳しい世界です。

まず前提として、
演技力や滑舌、綺麗な発声ができることはもはや評価の対象になりにくいのです。
それが出来ない人は論外ですが、
出来たからといって有利になるわけでもありません。
出来て当たり前だと当然のように求められます。

声優を目指す人の多くは「演技が上手くなれば仕事が来る」と考えます。
しかし現実には上手い演技が出来る人はあなたの他にも大量にいます。

男性であればいわゆるイケボ。
女性であれば萌え声や可愛い声。
これらも特別な武器ではありません。

それを出せる人が多すぎるからです。

さらに声優は、正直に言って声だけで評価される仕事ではありません。

端正な顔立ちや雰囲気。
画面に出たときの印象。
写真や宣材を見た瞬間の空気。

こうした要素も実際にはかなり見られています。

「声の仕事だから見た目は関係ない」
そう思いたくなる気持ちは分かりますが現場では通用しません。
美人やイケメンな人ほど高得点を得られます。

また社会的な常識や言葉遣い、礼儀やマナーも強く見られます。

収録現場は限られた時間で仕事を終わらせる場所です。
空気を読めない人、段取りを理解できない人、余計な緊張を持ち込む人はそれだけで敬遠されます。

明るさやコミュニケーション能力も重要です。

ここで言う明るさとは、
無理にテンションを上げることではありません。
楽しく雑談ができること。
軽い会話を回せること。
相手に気を遣わせない距離感を保てることです。

真面目すぎる人ほどここで苦労します。

トーク力も必要です。
中身のない話を適度に、楽しく続けられること。
沈黙を怖がらず空気を重くしないこと。

これらはレッスンだけでは身につきません。

そして最後に、他と明確に違う何かが求められます。

声、演技、雰囲気、存在感。
どれか一つでも「この人でなければならない理由」がなければ、
事務所に所属する前の段階で止まります。

実際には声優事務所に所属できる人はごく一部です。

多くの人はその手前で門前払いをされます。
仕事の話が来る以前に候補にすら入らない。

ここまで読んで「あまりに理不尽で要求が多すぎる」と感じたかもしれません。

その通りです。
あなたの感覚は正しいです。
しかし、それが声優という職業なのです。

声優という仕事は努力すれば誰でも辿り着ける場所ではありません。

しかも厄介なのは、どこまで出来ていれば届くのかが分かりにくい点です。

足りないのが演技なのか声質なのか、人柄なのか。
それとも全部なのか。

自分では判断できないまま、時間だけが過ぎていく人が大量に出ます。

これが声優になれない人が多い、
もう一つの大きな理由です。

努力しているのに届かない人が出続ける理由

声優になれない人の中には勿論まったく努力していない人もいます。
でも実際にはかなりの時間と労力をかけている人の方が圧倒的に多いです。

毎日発声練習をしている。
台本を読み込んでいる。
レッスンにも通っている。
それでも結果が出ない。

この状態に陥る人が大半です。そして心が折れる。
その原因の一つは、
努力の方向がズレていることに気づけない点にあります。

声優業界では「何を直せば次に進めるのか」が、はっきり言葉にされないことが多いです。

ダメだった理由は
「まだ足りない」
「もう少し経験を積んで」
そういった曖昧な言い方で済まされます。

その結果、本人は間違った練習を続けてしまいます。

しかも努力している人ほど、
自分のやり方を疑えなくなります。

時間もお金も使っている。
周りからも「頑張っているね」と言われる。
だからこそ方向を変える判断が遅れます。

もう一つの理由は、
他人との比較ができないことです。

集団レッスンや大人数の場では、
自分がどの位置にいるのか分かりません。

上手い人は上手い。
下手な人は下手。
その中間にいる人ほど自分の立ち位置を誤解します。

「自分はそこそこ出来ている」
そう思い込んだまま何年も同じ場所を回り続ける人もいます。

さらに声優を目指す人は、
努力をやめることに強い罪悪感を持ちます。

「ここまでやったのに」
「今やめたら無駄になる」
そう考えてしまうからです。

この心理が冷静な判断を邪魔します。

結果として努力を続けているのに、
どこにも近づいていない状態が生まれます。

これは本人の根性や覚悟の問題ではありません
間違った方向の努力が積み重なっているだけです。

声優になれない人が多いのは努力しないからではありません。

努力しても届く方向に向いていない人が、
そのまま走り続けてしまうからです。

声優を目指す前に、最低限考えておくべきこと

ここまで読んで、
「声優業界って本当にここまで厳しいの?」
そう感じた人もいるかもしれません。

ですがここに書いている内容は、
特別な例でも極端な話でもありません。

実際に声優を目指して現場に関わり、
仕事を続けてきた人たちから聞いてきた話をそのまま並べているだけです。

華やかな部分は外からでも見えます。
一方で、途中で消えていく人の話は表に出ることがほとんどありません。

声優業界が優しい場所なら、
ここまで多くの人が途中で立ち止まることはないはずです。

これから書くのは声優を目指す前に最低限、頭に入れておいた方がいい現実です。

「それでも自分はなれる!」
そう思っている人もいると思います。

その意気込みはとても良いです。
実際に声優として仕事をしている人も存在します。

ただ一つ言えるのは、
声優になれなかった人たちも最初は同じことを考えていた
という事実です。

問題は声優を目指す段階で、
自分がどこに立っているのかを正確に把握できないことです。

今の実力で事務所のオーディションに通る水準なのか。
どこが致命的に足りていないのか。
それは時間をかければ埋まる差なのか、方向を変えないと埋まらない差なのか。

この判断を間違えると努力は簡単に空回りします。

多くの人は、
「とりあえず通ってみる」
「続けていれば何か変わる」
そう考えて時間を使います。

その結果、
数年後に残るのは明確な成果ではなく、
やめどきが分からなくなった状態です。

声優業界が厳しいと言われる理由は、
才能のある人が落ちるからではありません。

努力を言い訳に判断を後回しにしやすい形になっている
それだけです。

声優を目指すなら、
まず必要なのは安心できる場所でも夢を語れる仲間でもありません。

今の自分に何が足りていないのか。
声優になるにはどうするべきなのか。
それを感情抜きで教えてくれる環境です。

遠回りになる場所とそうでない場所の違いは、
教え方や設備ではなく時間の使われ方に出ます。

声優になれない人が多いのは努力しなかったからではありません。
自己判断が出来ずに時間が奪われていくからです。

声優を目指すかどうか迷っているなら、
まずは「今の自分がどこにいるのか」
そこをはっきりさせる必要があります。

この記事は現役声優が運営代表を務めている、声優スクール【メイクリ】が書きました。
ここに辿り着いた人の一人でも多くが声優になれますように。


 

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