オンライン特化型の声優スクール・メイクリでは、 声優を目指したい人から「声優学校のレッスンで自分が声を出している時間が短い気がする」という相談を受けることがあります。
レッスンには通っている。 でも自分が実際に練習できている時間が少ない気がする。 他の受講生の練習を見ている時間の方が長い。
こうした感覚を持ちながら通い続けているケースがあります。
この感覚は気のせいではありません。 多人数制というレッスンの形式から生まれる構造的な問題です。
このページでは、 声優学校の多人数レッスンで一人あたりの指導時間が約12分になる構造を整理します。
多人数制レッスンの時間配分
声優学校のレッスンは多人数制が一般的です。 複数の受講生が同じ時間に同じ場所でレッスンを受ける形式です。
10人クラスで2時間のレッスンを受ける場合を考えます。
2時間は120分です。 この時間を10人で共有します。
単純に均等配分すると、 一人あたりの時間は12分になります。
120分 ÷ 10人 = 12分
ですが実際のレッスンでは、 この12分がそのまま指導の時間になるわけではありません。
レッスンの冒頭には説明や準備の時間があります。 全体向けのフィードバックの時間があります。 次の受講生への切り替えの時間があります。
こうした時間が差し引かれると、 一人あたりの実質的な指導時間は12分よりさらに短くなる可能性があります。
12分という数字は、 均等配分した場合の理論上の上限です。
残りの時間に何が起きているか
10人クラスで自分の番でない108分間、 何が起きているかを確認します。
他の受講生のレッスンを見学しています。 全体向けの説明を聞いています。 自分の番が来るのを待っています。
この時間が指導を受ける時間ではないことは明らかです。
ただし声優学校側からは、 「他の受講生のレッスンを見ることも学びになる」 という説明がされることがあります。
他者の練習を見ることで気づきが得られる場合があることは事実です。
ですが声優としての技術は、 見ることだけでは身につきません。 実際に声を出し、フィードバックを受けることが必要です。
108分のうち自分が声を出している時間は、 実質的な指導の12分だけです。
クラスの人数が増えるほど指導時間が減る
多人数制レッスンでは、 クラスの人数が増えるほど一人あたりの指導時間が減ります。
10人クラスで12分。 15人クラスになると8分。 20人クラスになると6分。
クラスの人数は、 スクールの運営上の都合によって変わることがあります。
人数が増えることで、 一人あたりの指導時間が減ります。
入学前に聞いていたクラスの人数と、 実際のクラスの人数が異なるケースがあります。
クラスの人数によって指導時間が変わることを把握した上で、 実際の指導時間を確認することが必要です。
2時間通っても指導は12分という構造の意味
2時間のレッスンに通うという事実は、 2時間学んだという感覚を生みやすいです。
スクールに行った。 レッスンを受けた。 2時間過ごした。
この事実の積み重ねが、 「着実に学んでいる」という感覚につながります。
ですが自分が指導を受けた時間は12分です。
2時間という滞在時間と、 12分という指導時間の差が、 「通っているのに上達している感じがしない」という感覚の原因のひとつになっていることがあります。
滞在時間と指導時間を混同しないことが、 多人数制レッスンの実態を把握するための前提になります。
月4回通うと月の指導時間は48分
月4回レッスンに通う場合、 月の実質的な指導時間を計算します。
12分 × 4回 = 48分
月に4回スクールに通い、 合計8時間の滞在時間を使っても、 自分が指導を受ける時間の合計は48分です。
月額の費用をこの48分で割ると、 時間単価が確認できます。
声優学校の月額費用を仮に9万円とすると、 90,000円 ÷ 0.8時間 = 約112,500円
1時間あたり約11万円の指導を受けている計算になります。
月4回通っているという事実と、 48分という指導時間では、 見えてくる情報が異なります。
形式が指導時間を決める
ここまで見てきた内容に共通しているのは、 声優学校の多人数制レッスンで一人あたりの指導時間が12分になる理由が、 形式そのものから来ているという点です。
多人数制は時間を受講生全員で共有する形式。 10人クラスで2時間のレッスンでは均等配分で12分になる。 実際の指導時間は12分よりさらに短い可能性がある。 残りの時間は他の受講生のレッスンを見ている。 クラスの人数が増えるほど指導時間が減る。 滞在時間と指導時間は別の話。
多人数制という形式を選ぶ限り、 一人あたりの指導時間が限られるという構造は変わりません。
この構造を把握した上で、 自分の目的に合ったレッスン形式を確認することが判断の材料になります。
12分という指導時間が生まれる多人数制の構造と、 声優学校では声優になれない理由の全体像については、 声優学校の多人数制が声優への道を遠ざける理由で扱っています。

