オンライン特化型の声優スクール『メイクリ』では、男の娘に関する相談を日常的に受けています。その中には、「男の娘」と「中性的な男性アイドル」の違いが分からないという方がいます。
外見が中性的・女性的な男性という点では、男の娘と男性アイドルは重なる部分を持ちます。ただし、指している状態と、その成立に求められる条件は異なります。
この違いを把握せずに目標を設定すると、取り組みの方向性がずれる場合があります。
本記事では、男の娘と男性アイドルの違いについて、特定の結論に寄らず、定義という視点から掘り下げていきます。
男性アイドルの「中性的」が指すもの
男性アイドルの文脈で使われる「中性的」や「女性的」は、男性という前提の上に成立しています。
中性的な顔立ち、細身の体型、女性的なファッション。これらは「男性であるが、女性的な要素を持つ」という状態を指します。声は男性の声のまま、あるいは男性の声の範囲で高い声であることが多い。男性であることが前提にあり、その上で女性的な要素を持つという状態です。
この状態では、接した相手は「中性的な男性」として認識します。「女性」として認識するわけではありません。
男の娘の成立が指すもの
男の娘の成立は、接した相手が「女性として知覚する」状態を含む定義で使われることがあります。
男性であることが前提の上で女性的な要素を持つ状態ではなく、接した相手が女性として知覚する状態を目指す場合、求められる条件が変わります。外見だけでなく、声、動作、立ち振る舞いが、女性として知覚される状態に近づいている必要があります。
男性アイドルの「中性的」と、男の娘の「女性として知覚される」は、目指す状態が異なります。
声の扱いが最も大きく異なる
男性アイドルと男の娘で最も大きく異なる要素は、声の扱いです。
男性アイドルは、男性の声のまま活動します。声が男性的であることは、男性アイドルとしての成立を妨げません。むしろ、男性の声であることが前提になっています。
男の娘として女性として知覚される状態を目指す場合、声が女性として知覚される状態に近づいている必要があります。話した瞬間に声が届くとき、その声が女性として知覚されなければ、外見での印象が崩れます。
声への取り組みが必要かどうかという点で、男の娘と男性アイドルは大きく異なります。
目指している状態によって必要なものが変わる
「中性的・女性的な外見を持つ男性」を目指しているのか、「接した相手が女性として知覚する状態」を目指しているのかによって、必要な取り組みが変わります。
前者を目指す場合、外見への取り組みが中心になります。声は男性の声のままでも成立します。後者を目指す場合、外見に加えて声への取り組みが必要になります。
どちらを目指しているかが曖昧なまま取り組むと、成立の基準と取り組みの方向性がずれる場合があります。
VRChatでの文脈での違い
VRChatで活動する場合、この違いはより明確に表れます。
中性的・女性的なアバターを使って男性として活動するのか、女性として知覚される状態で活動するのかによって、声への要求が変わります。
男性アイドル的な中性的キャラクターとして活動する場合、声が男性的でも一貫性があります。女性として知覚される状態で活動したい場合、声が成立していないと会話の場面で一貫性が崩れます。
自分が目指している状態を言語化する
「男の娘と男性アイドルの違い」という問いは、自分が何を目指しているかを明確にするための問いでもあります。
中性的な魅力を持つ男性として見られたいのか。女性として知覚される状態になりたいのか。この二つは異なる目標です。どちらを目指すかによって、必要な取り組みの範囲と方向性が変わります。
目標が曖昧なまま取り組むと、成立の基準がずれ続けます。自分が何を目指しているかを言語化することが、取り組みの方向性を定める出発点です。
男の娘の定義と成立条件について詳しく知りたい方は、男の娘とは何か、男性アイドルとの違いと成立の定義をご覧ください。
「中性的に見られている」ではなく、「女性として知覚されている」状態まで行く。
そこから初めて、男の娘は成立します。

