オンライン特化型の声優スクール「メイクリ」では 声優やボイトレのスクールを検討している方から 「体験レッスンって講師が何か書いてるんですか」という質問を受けることがあります。
大手マンツーマンスクールの体験レッスンでは 担当した講師が受講者の情報を記録するレポートを作成します。
受ける側からはこの仕組みが見えないため 体験レッスンが一方的に試す場だと認識している人がほとんどです。
ですが体験レッスンのレポートは 受ける側が知らないところで記録され スクール側に共有されています。
このページでは 体験レッスンのレポートとは何か、 何が記録されているのかを見ていきます。
体験レッスンのレポートとは
体験レッスンのレポートは 担当した講師が受講者に関する情報を記録してスクール側に提出する仕組みです。
講師は体験レッスンの後にレポートを作成します。 レポートの内容はスクールによって異なりますが 受講者の態度、受講姿勢、目標の明確さ、入会意欲の有無といった項目が含まれます。
この記録はスクール側に共有され管理されます。
受講者からは見えない評価が 体験レッスンの時間中にすでに始まっています。
タダだから気軽にという感覚で臨んだ場合でも スクール側からの評価は同じように進んでいます。
体験レッスンは受ける側が一方的に試す場ではなく スクール側も受講者を評価している場です。
レポートに記録される内容
体験レッスンのレポートに記録される主な内容を見ていきます。
受講姿勢は記録される代表的な項目です。 レッスン中の態度、言葉遣い、指示への反応が評価されます。
目標の明確さも記録されます。 なぜ始めたいのか、目標はどこに置いているかという問いへの答え方が 入会意欲の判断材料になります。
入会意欲の有無は最も重要な記録項目のひとつです。 シアーミュージックの体験レッスンは成功報酬型です。 入会に繋がらなければ担当した講師への報酬はゼロになるため 入会意欲の有無は講師にとって直接的な関心事になります。
声の現状も記録される場合があります。 発声の傾向や課題の概要が記録されることで 入会後の担当講師への引き継ぎ情報として使われます。
ただし体験レッスンの時間は30分前後です。 この時間の大部分はヒアリングで終わるため 声の現状の記録は詳細なものになりにくい状態です。
レポートが機能する目的
体験レッスンのレポートが作成される目的は複数あります。
ひとつは入会意欲のある受講者を把握することです。 スクール側は体験レッスンを受けた受講者の中で 入会に近い状態にある人を把握するためにレポートを活用します。
もうひとつは入会意欲のない層を記録することです。 ナユタスをはじめとする複数の大手スクールでは 無料体験のみを目的とした受講者のリストが存在します。 このリストに記録された人物は以降の予約を断られるケースがあります。
複数のスクールを渡り歩く受講者は 講師側から見ると態度や受け答えで判断されやすい状態にあります。 目標を聞いても答えられない、受講姿勢が雑、という様子はレポートに記録されます。
また入会後の担当講師への引き継ぎ情報としても機能します。 体験レッスンで把握した受講者の特徴を 入会後の指導に活かすための記録として使われます。
レポートの存在が意味すること
レポートの仕組みが存在するということは 体験レッスンが受ける側にとっての「試す場」だけではないことを示しています。
受ける側はスクールを試していますが スクール側も受ける側を試しています。
この事実を知らないまま体験レッスンに臨むと 自分が評価されているという認識がないまま時間が終わります。
評価されているという認識があるかどうかは 体験レッスン中の姿勢に影響します。
評価される側として臨む場合 目標を明確に持って答えられる状態で行くことが 体験レッスンの密度を上げる可能性があります。
ただしレポートの内容が良い評価であっても 体験レッスンの時間設計の制約は変わりません。 入会後に担当する講師が体験時と同じかどうかも レポートの内容とは別の問題です。
シアーミュージックとナユタスのレポート運用の違い
レポートの運用はスクールによって異なります。
ナユタスは申し込み時点で 入会前提での体験レッスンであることを事前に伝える対策を取っています。 この事前告知により入会意欲のない層が申し込み段階である程度弾かれます。
またナユタスのリストは 無料目的で渡り歩く受講者を記録して以降の予約を断る仕組みとして機能しています。
シアーミュージックはこうした対策を施していません。 入会意欲のない層が体験レッスンに参加しやすい環境になっており その結果として入会率が他社と比較して低い水準になっています。 体験レッスンの入会率は10%を下回ります。
レポートの存在自体は両スクールに共通していますが その前後の設計がレポートの機能する範囲に影響しています。
シアーミュージックではレポートがあっても 入会率を下げる構造的な要因が別のところにあるため レポートだけで入会率の問題が解決される状態にはなっていません。
レポートが示す体験レッスンの本質
体験レッスンにレポートの仕組みがあるという事実は 体験レッスンが双方向の評価の場であることを示しています。
受ける側はスクールと講師を評価します。 スクール側は受ける側を評価してレポートとして記録します。
この双方向の評価が行われているという前提で体験レッスンに臨むかどうかは 受ける側の判断です。
ただしこの前提を知っていても 体験レッスンで確認できることの限界は変わりません。
入会後に担当する講師が体験時と同じかどうか。 指導の継続性が保たれるかどうか。 自分の課題に対して的確な指導が受けられるかどうか。
これらは体験レッスンでは確認できません。
レポートの仕組みを知ることは 体験レッスンという場の本質を理解するための一部です。 その場の外にある入会後のレッスンが成立する条件を 別の問題として確認することが必要です。
体験レッスンの構造全体と 入会後のレッスンが成立するための条件については 大手マンツーマンスクールの無料体験レッスンが成立しない構造で扱っています。


