オンライン特化型の声優スクール・メイクリでは、 声優を目指したい人から「声優学校で2年間しっかり学べるのか不安」という相談を受けることがあります。
2年間という期間は長く感じられます。 毎週レッスンがあり、着実に積み重ねていける。 そういうイメージを持って入学を検討している人がいます。
ですが2年間という期間の長さと、 実際に自分が受ける指導の時間は別の話です。
2年間という時間の長さではなく、 その中で自分に向けられた指導の量で考えると、 見えてくる数字が変わります。
このページでは、 声優学校に2年通ったときの実質指導時間がどのくらいになるかを整理します。
2年間という期間が長く感じられる理由
声優学校に2年間通うという選択は、 「それだけの時間をかけて学ぶ」という印象を与えます。
2年間という時間の長さは、 学びの量や深さを想像させます。
週に数回レッスンがある。 月に複数回通う。 2年間継続する。
この事実だけを見ると、 相応の指導を受けられるという感覚が生まれます。
ですがここで確認すべきことがあります。
2年間という期間の長さは、 自分が指導を受ける時間の長さとは別の話です。
声優学校のレッスンは多人数制です。 同じ時間を複数人で共有する形式です。
この形式では、 レッスンの総時間と、 自分が受ける実質的な指導時間は一致しません。
実質指導時間の計算
声優学校に2年通ったときの実質指導時間を計算します。
前提条件は以下の通りです。 レッスン形式:多人数制(10人クラス) 1コマのレッスン時間:2時間 月のレッスン回数:月4回 在籍期間:2年間(24か月)
まず、一人あたりの実質的な指導時間を出します。
2時間 ÷ 10人 = 約12分
これが1回のレッスンで自分に使われる時間です。
次に、2年間のレッスン総回数を出します。
月4回 × 24か月 = 96回
96回のレッスンに12分を掛けると、 2年間で自分に使われた実質的な指導時間が出ます。
12分 × 96回 = 1,152分 = 約19.2時間
2年間、声優学校に通い続けた結果として、 自分に向けられた指導時間の合計は約19時間です。
19時間という数字が意味すること
約19時間という数字を、 別の視点から確認します。
個人のマンツーマンレッスンで月4回、1回50分のレッスンを受ける場合、 1か月で受ける指導時間は次のようになります。
50分 × 4回 = 200分 = 約3.3時間
声優学校で2年間かけて受ける実質指導時間19時間は、 マンツーマンで月4回のレッスンを受けた場合の約6か月分に相当します。
2年間という期間をかけて受けた指導が、 別の形式では6か月で受けられる量に相当する。
この差は、 指導の質の差ではありません。 形式の差から生まれています。
多人数で時間を分け合う形式では、 2年間という期間の長さにかかわらず、 一人あたりの指導時間が構造的に限られます。
96回通っても指導時間が少ない構造
2年間で96回レッスンに通うという事実は、 積み重ねの多さとして感じられます。
96回という回数は、 確かに多くの回数です。
ですが1回あたりの実質的な指導時間が12分という状態では、 96回という回数が積み重なっても、 指導の総量は19時間に留まります。
回数の多さと、 指導の量の多さは別の話です。
96回通ったという事実が、 十分な指導を受けたという感覚を生みやすい。
ですが時間として計算すると、 19時間という数字が実態です。
回数を基準に考えることと、 時間を基準に考えることでは、 見えてくる情報が異なります。
指導時間と学費の関係
声優学校の学費を実質指導時間で割ると、 時間単価が確認できます。
2年間の学費:約220万円 実質指導時間:約19.2時間
220万円 ÷ 19.2時間 = 約114,000円
1時間あたり約11万4千円。
この数字は、 2年間という期間と220万円という費用に対して、 実際に自分が受ける指導の量として現れます。
学費の総額を2年間という期間で割ると、 年間110万円、月あたり約9万2千円です。
月あたりの費用として見ると、 高いと感じるかもしれません。
ですが時間単価で見ると、 1時間あたり11万4千円という数字が実態です。
月あたりの費用と時間単価では、 見えてくる情報が異なります。
実質指導時間を確認しないまま入学する問題
声優学校の入学を検討するとき、 実質指導時間を計算している人はほとんどいません。
提示されるのは学費の総額と、 カリキュラムの内容と、 在籍期間です。
これらの情報から、 「しっかり学べる」という印象が形成されます。
実質指導時間という観点は、 入学前の検討の中では出てきにくい。
ですが入学後に気づくことがあります。 「レッスンで自分が声を出している時間が短い」 「他の受講生の練習を見ている時間が長い」
この感覚は、 多人数制という形式から来ています。
入学前に実質指導時間を計算することで、 この状態を事前に把握することができます。
2年間という期間と19時間という指導時間
ここまで見てきた内容に共通しているのは、 声優学校に2年通ったときの実質指導時間が約19時間になる理由が、 多人数制という形式の構造から来ているという点です。
2年間という期間の長さと実質指導時間は別の話。 一人あたりの指導時間は1回約12分になる。 2年間の合計で約19.2時間になる。 この19時間はマンツーマンで月4回の約6か月分に相当する。 96回という回数と指導の量は別の話。 学費を実質指導時間で割ると時間単価が確認できる。
2年間という期間の長さを前提に入学を検討している場合、 実質指導時間という観点を加えることで、 異なる情報が見えてきます。
2年間という期間と19時間という指導時間の差が生まれる構造的な背景については、 声優学校に2年通っても声優になれない理由で扱っています。

